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Last Update:2022/8/18
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コラム 中国ビジネス噺

第49回 これから中国へ赴任される方へ(21)

(2022年8月18日)

   中国ではコロナが完全に終息しない中、酷暑に見舞われている地域もあり、健康管理にはこれまで以上に気を遣う夏になっています。また、この冬にはコロナの再流行があるのではとの憶測もあり、市民の間では抗体を強める働きのあるサプリや食材を求める人がたくさんいるようです。最近私の中国の友人も「日本で何かいいサプリが無いか」と聞いてくるほどなのでコロナの収束はまだしばらく先になるでしょう。
 コロナ事情も発生初期と比べると経済活動はほぼコロナ前に回復し、基本的な日常が戻りつつあり、2年前には多くの行事も自粛を余儀なくされましたが、ようやく元に戻ってきているようです。
 皆さんが中国へ出張や赴任される場合でも2年前とは違って様々な国家行事も復活すると思いますので、この秋からの日程を見てみましょう。
 9月には日本人として注意すべき日があります。まず、日本が1945年9月2日に降伏文書に調印した翌9月3日が「中国人民抗日戦争勝利記念日」に指定され、毎年記念行事が行われます。次に、「9.18事変」、満州事変の発端である柳条湖事件のあった9月18日も「抗日記念日」として指定され、ちょうど90年後に当たる昨年は記念行事が行われましたが、過去に発生した反日デモ等は起きませんでした。いずれにしても、この二日はテレビや新聞等で何らかの関連報道が流れますので、日本人は言動や外での行動には注意しましょう。過去の反日デモ等もその時の社会情勢で何かのきっかけがあるとそのような機運が出来上がってしまうようです。昨今の米中、米露情勢を背景に日本に対する排斥運動が突然起きないとも限りませんので、個人や所属企業の環境にも配慮して日本人同士、中国人の友人との会話にも話題に注意を払うようにしましょう。また、在日日本大使館の窓口とも情報交換をして逐次情報を得ておくこともリスク管理として有効だと思います。
 悪い行事ばかりではありません。9月には旧暦8月15日の「中秋節」があります。今年の中秋節は9月10日です。9月9日から11日まで三連休となり、家族団らんでお供えをしたり食事をしたりして楽しみます。従来、国営企業では中秋節を祝って「月餅」を従業員に配っていました。以前は「月餅」そのものを全従業員に配っていましたがだいぶ前からは「月餅券」を配るようになっているようです。中国では有名なレストランやホテルが毎年独自の「月餅」を販売するので人気があります。
 各地でやり方は異なりますが、昨今のコロナ禍や国際情勢が不安定な中で、周りの中国人の皆さんと友好な関係を作るため、中秋節を利用して日ごろの労をねぎらったり、感謝を表すのも日中友好の一策と言えるのではないでしょうか。

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