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第1004回 最近の交通安全諸問題

(2022年1月27日)

 人民日報を読んでいると、大きな挿絵に文章や詩形式の標語を添えたコラム欄が良く目につきます。その取り扱う内容で最近特に多いのが交通安全に関するもの。例えば、「交通安全无小事,出行隐患需清理。多方参与齐发力,护航平安新学期。」は交通安全の重要性を説き、みんなで力を合わせて、子供たちの通学を守ろう、という趣旨。「省去来回奔忙,掌握路网情况。智慧交管助力,道路更加通畅。」は多発する交通違反に対処するためにスマート管理を実施して、スムーズな交通につなげようと言うもの。他にも、交通安全キャンペーンの活動内容紹介、ドローンによる交通状況の把握、交通安全活動奉仕による交通違反点数の減免、高速道路のドライバー専用休憩所の設置、横断歩道の横断者優先と横断者保護、児童の通学路の安全確保、スクールバスの安全立ち入り検査、バイクの多人数乗車やトラックの過積載・危険積載への警鐘など、目下の中国の交通安全への取り組みが一目瞭然です。       
 最近、公安交通管理部門が力を入れているのが、ネットを使った交通安全への取り組み。交通管理局の統計によれば、2001年5月の全国交通安全ライブ月間には、全国800カ所以上の公安警察サイトが新浪微博・快手・抖音・藍鯨FMなどのプラットフォームを通して4100回以上のライブを行い、延べ3億人が視聴したとのこと。取り扱う内容は、“一盔一带”(ヘルメットと安全ベルトを)安全防護キャンペーンとか、高速道路安全対策“百日キャンペーン”とか、飲酒運転・酒酔い運転の取り締まり、無免許運転取り締まり等々。
 ここ10年ほど、交通安全に対する政府の取り組みが徐々にステップアップしています。過積載については、既に2016年に<貨物用トラック違法改造・積載超過対策に関する意見>を、2020年4月には<道路貨物輸送業の転換を加速させ、質の高い発展を促進することに関する意見>を出し、違法改造・積載超過の取り締まりを地方政府の考課項目にも組み入れました。また、上述の“一盔一带”で、2020年6月から、モーターバイクや電動自転車に乗る時、ヘルメットの着用が義務付けられたのはその好例と言えましょう。その一方で、2016年に宅配用三輪車の時速を15キロに制限する案に対し、業界から25キロにしないと採算にも需要にも対応できない、と意見が噴出したように、取り締まりの実施にきめ細かい配慮も求められることは言うまでもありません。

次回は2月3日更新予定 テーマは<都市計画、最近の変化>です。

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