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第1010回 農村政策の動きから-その3-

(2022年3月10日)

 2016年12月、国務院は<農業の供給側構造改革を本格的に推進し、農業・農村発展の新起動力を加速させることに関する若干の意見>を発表しました。その要点は、農業の産業体制・生産体制・経営体制を最適化し、土地生産性・資源利用効率・労働生産性を向上させ、農業・農村の発展が、資源の消耗に過度に依頼して量的需要を満足させることから、豊かな生態系の持続可能性に依拠して質的需要により注力することへ転換するよう促進することにあります。具体的には、集約化・専業化・組織化・民間経営化を進め、灌漑効率化・科学技術貢献率向上・機械化など農業科学技術を発展させ、農産物や農業加工品のEC推進、農村レジャー産業の発展など農業面で第一次~三次産業を融合させることが挙げられます。       
 2017年5月、政府は<政策体系の構築を加速させ、新型農業経営主体を育成することに関する意見>を発表しました。当時、全国では家庭農場(近年出現した新たな経営主体。技術と資本を投入して一定規模の専業経営を行う)87万、登録済み農民合作社188.8万、農業産業化経営組織は38.6万を数えていました。同意見は、こうした動きを支え、2020年には、WTO規則に則り、国の財政力に相応した、確固とした政策的サポートシステムを確立し、市場への対応能力を高め、農民の収入力増加を牽引することを趣旨としています。
 政府は同年10月にも<体制とシステムを革新して農業の緑色発展を推進することに関する意見>を打ち出し、農業生産力の地理的配置を考慮しつつ、農業資源を保護し、緑色循環による二酸化炭素排出抑制生産方式を推進することを強く打ち出しました。
 2017年秋の18全大会を経た2018年1月、同年の一号文献として<農村振興戦略実施に関する意見>が党中央・国務院から発表されましたが、その内容は、こういった流れを受け継いで貧困の全面的撲滅へとつなげることを企図したものでした。同年は「“資本下郷”でいかに農村を富ませるか」がテーマになり、また、農村産業の振興、農村人材の振興、農村文化の振興、農村生態の振興、農村組織の振興という五つの振興も提起されました。さらに、農村の生活環境の整備も重要なテーマとなり、政府は<農村生活環境整備三年行動方案>を打ち出し、生活ゴミ、トイレの糞尿、生活汚水、農村の景観、農村建設計画管理、整備管理体制の確立に本格的に取り組む姿勢を示しました。

次回は3月17日更新予定 テーマは<農村政策の動きから-その4->です。

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