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 第百二回 設備産業


人民日報が2003年8月11日から<いかにして重大な設備産業を発展させるか>と題するシリ−ズを開始しました。その意図はどこにあるのでしょうか?
1983年、国務院は<重大な技術設備の開発に力を入れることに関する決定>を出し、三峡ダム、秦山原子力発電所、宝山製鉄所、大秦鉄道など12のプラントを研究開発目標に指定しました。その後、2002年秋の16全大会では、設備産業の育成が新たに党の重要施策として掲げられ、国産化された独自技術の開発によって知的所有権の保有量を増やし、経済力の総合的な向上と国防力の強化を目指すという方向性が示されました。
ここ数年、政府は国債で500項目の重大設備国産化プロジェクトを支援(総投資額430億元)しており、その結果、地下鉄、セメント、ポリエステル、コンテナ輸送船などの分野で国産化が顕著ですが、変電、原子力発電、高速鉄道などの面ではまだ立ち遅れが目立ちます。今後一層国産化を推進するには、「まず国有企業と私企業が公平に競争できる投資環境を整備し、技術革新に対する政府の財政的援助を増やし、所得税、重複徴税など税負担の軽減が不可欠」との主張もあります。
一方、「EU、アメリカなどは国家の安全と国内産業育成を理由に国内製品に対し優 遇措置を実施、WTOの政府買い付け協定でも、国家の安全を理由に外国企業の参入を拒否することを認めている。わが国も応札者を国内企業に限定できるよう法整備を 図るべきだ」と保護主義色の濃い意見もあれば、「船舶工業は急速な発展を遂げ、造船量は8年連続 世界第三位であるが、この成果は技術設備の[導入-消化-吸収-再導入-再消化-再吸収]というサイクルで達成されたものだ。自主開発と世界の最新技術の絶え間ない導入とは車の両輪である、との指摘もあります。
青蔵鉄道の建設、南水北調、西気東輸、西電東輸など巨大プロジェクトが目白押しの中国では、様々な高度な技術が必要とされています。中国市場の将来性を看板に外国企業の先進的技術を取り込み、技術移転を図る戦略と、国産化を推進することで外資に支払う巨額の費用を減らすという大義名分を掲げつつ、ともすれば一時的に保 護主義に傾斜しようとする産業界の動向をどう調整するか、政府の手腕が試されます。

三瀦先生のコラム