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第1061回 中国と中南米諸国-その2-

(2023年3月16日)

 2020年代に入ると、中国と中南米諸国との協力は一層顕著になり、とりわけ農業面では、2020年第1四半期に、同地域からの輸入額が中国の農業生産物輸入額全体の増加速度の2倍の速さで増え、全輸入総額の30%近くを占めるに至りました。同年5月、大豆・肉類・ショ糖などを中心としたブラジル農産物の中国向け輸出が前年同期比で約50%増加し、同国の農産物輸出総額の約45%を占めるに至ったことはその象徴とも言えましょう。特に大豆は、毎月の対中輸出額が30億ドルにも達するようになりました。エクアドルにとって中国はエビの最大輸出先で、生産額の6割以上が中国に輸出されていますし、チリにとっても中国は、様々な果物やドライフルーツの主要輸出先になりつつあります。こうした情勢に即し、中国は5000万ドルの中国-ラテンアメリカ農業協力特別基金を設け、品種改良や栽培技術など多方面にわたるプロジェクト支援を展開するようになりました。
 自動車産業における協力もこのころから広がりを見せるようになりました。中国ブランドの自動車にとって、メキシコ、チリ、ブラジル、ペルーなどの国々は主要な輸出先に成長し、現地生産や、現地企業との合弁も積極的に展開されるようになりました。現地生産では、奇瑞が早くも2014年にブラジルに工場を設立、合弁企業も立ち上げ、その後5年間で生産量は10倍に達し、パラグアイなどへも直接輸出するようになりました。その他、2020年時点で、アルゼンチンでは中国ブランド企業20社が50タイプを展開するようになりました。また、電動バスの公共交通システムへの進出も顕著で、同年12月にはコロンビアにBYDから470両が引き渡され、中南米最大の電動公共バス運行体が結成されました。さらに、コロンビアの首都ボコタの地下鉄、メキシコの工業都市モンテレーのライトレールといった都市交通の建設への協力も際立っています。
 2021年、中国と中南米との貿易額は4500億ドルを突破、中国は中南米世界第二の貿易相手国としての地位を確実なものにしています。2023年1月にブエノスアイレスで開催されたラテンアメリカ・カリブ海諸国首脳会議に招待された習近平国家主席は、「中国は、同共同体一体化の道筋を一貫して支持しており、また、同共同体が中国と協力して、高度な一帯一路建設を推進するよう呼びかけました。

次回は3月23日更新予定 テーマは<交通安全への取り組み>です。

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