企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

第1108回 エネルギー政策の新たな進展-その1-

(2024年2月23日)

 第13次5ヵ年計画(2016-20年)の間、中国のエネルギー構造には大きな変化がありました。再生可能エネルギーによる発電量は平均年率10%ずつ上昇し、全国総発電量の30%に迫る勢いを示し、水力発電・風力発電・太陽光発電の発電能力はそれぞれ世界一になり、2019年には風力発電・太陽光発電がそれぞれ2億kWを突破しました。一方、化石燃料については、天然ガスの生産量が2017-20年の4年間、連続して1000億㎥を超えるのに比し、石炭の発電能力が全体に占める割合は52%弱にまで減少しています。こうした努力を積み重ねる中、中国のエネルギー自給能力は押しなべて80%以上を保ってきました。
 2020年12月、政府は<新時代中国エネルギー発展>と題する白書を発表して、エネルギー革命を断固として推進すると力説、まずエネルギーの安全保障戦略とエネルギー政策理念を掲げた上でこれまでの成果を示し、さらに①エネルギー消費構造変革を全面的に推進するため、関連法規を整備し、省エネ・ローカーボン奨励政策を推進する ②多元的かつクリーンなエネルギー供給システムを確立するため、非化石燃料を優先使用する一方、化石燃料のクリーンかつ高効率な利用方法を開発し、なおかつ輸送貯蔵システムを整備して需給の安定化を図る ③関連科学技術の開発を進め、関連産業の発展に注力する、といった方針を打ち出しました。しかし、こうした方針に対し、功を競って性急な転換を進める地方が続出し、一部地域で暖房用の燃料不足が生じてしまい、大混乱に陥りました。“富煤貧油少気”とは中国のエネルギー構造を示した言葉。この言葉を踏まえて2021年末の中央経済工作会議は「クリーンエネルギーへの転換は必要不可欠だが、石炭産業からの性急な転換によってエネルギー不足を招いてはならず、バランスを取りながら変革を進めるべきだ」と強調し、事態の収拾に努めました。
 2022年3月、<「十四五」現代エネルギーシステム計画>が発表され、「2025年には非化石エネルギーの消費比率を20%前後に、発電量比率を39%前後にまで高めるとともに、化石燃料では、天然ガスの生産量を2300億㎥に引き上げ、原油生産量も2億トンレベルに安定させる」ことが示されました。その一方で、単位GDP当たりのエネルギー消費は5年間累計で13.5%減少させると共に、エネルギー関連研究費を年平均7%増加させ、コア技術50テーマ前後をブレイクスルーさせる方針も打ち出されました。次回は分野別解説を進めます。

三瀦先生のコラム