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第1180回 中国サッカー界の現状

(2025年7月31日)

 ④ 中国でプロリーグが誕生したのは1994年のこと。同年、中国甲Aリーグがプロ化し人気も急上昇、大型スポンサーもつきました。しかし、その後は八百長や審判の買収、更には資金管理の不透明さなどが深刻化、2004年に中国スーパーリーグ(中超、CSL)を設立することになりました。選手強化にも積極的に乗り出し、世界の著名な選手や監督を高額で招聘し、欧州のスター選手も積極的に取り込んだのです。こうして2010年代後半には「世界で最も資金豊かなリーグ」と称されるほどのリーグになり、広州恒大のACL制覇(2013・2015年)を現出するなど一次は隆盛を極めました。しかし、2020年代に入ると過剰投資により天津天海、江蘇蘇寧など多くのクラブが経営破綻し、追い打ちをかけるようにコロナ禍で観客収入も激減、直接リーグ運営を担っていたCFA(中国サッカー協会)も不透明な経営や行政介入が批判された結果、2025年、漸くクラブを主体とするプロリーグ連合会が設立され、欧州のリーグ運営モデルに近づく第一歩を踏み出しました。


 一方、国全体としてすそ野を広げようという計画は、習近平政権になっていち早く展開されました。2015年3月に中国共産党中央・国務院が発表した「中国サッカー改革発展総合プラン」は、中国サッカーを世界水準に引き上げることを目的とした包括的な国家戦略で、その中では学校サッカーを普及させ、青少年育成体系を確立して競技人口を増やすことが謳われました。具体的には小中高校でサッカーを必修化または重点的に普及させ、2025年までに学校サッカー特色校を約5万校に拡大、加えて各地に青少年トレーニングセンター設立すること。更に、サッカー文化を普及させ、地域リーグや草の根大会を充実させることも盛り込まれました。貴州省で始まった草の根リーグ「村超(農村スーパーリーグ)」は、地域文化・観光振興・草の根スポーツを統合したモデルとして注目されました。


 日本同様、最近目覚ましいのが女子サッカー。中国女子スーパーリーグ(CWSL)は現在12クラブ体制で運営されており、欧州クラブへの留学・移籍も活発化しています。これに応じて実力もアップしており、2025年東アジアE 1選手権では、韓国・日本・台湾とともに大会に参加、アント・ミリチッチ監督に率いられた中国代表は準優勝を果たしました。中国初の幼児サッカー大会が北京で行われたのは2018年のこと。当時3-6歳だった幼児も今は10-13歳。地道な試みが今後どう実を結ぶのかが期待されます。   

 
 

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