トップ > 現代中国放大鏡
Last Update:
第1183回 大阪万博中国館
(2025年8月21日)
2008年の中国オリンピックや2010年の上海万博、また2022年の冬季オリンピックなどは、改革開放以来の中国の発展ぶりを世界に印象付けました。その間、リーマンショックやコロナの流行、また、アメリカとの貿易戦争など様々な困難に遭遇しましたが、宇宙探査、EV、生成AI、ロボティクス、ドローンなど、中国の先端技術の進歩は目を見張るものがありました。日本で今年2025年に開催された大阪万博では、どのような展示が人々の目を楽しませたのでしょうか。中国館開館に際しては、中国政府から何立峰副首相が出席し、スピーチを行い、その中で、中国館は「グリーンに発展する未来社会」をテーマとし、中国生態文明建設の様々な実践をベースに、自然を尊重し、自然に順応し、自然を保護するという発展理念を示し、人と自然の共同体を各国と築き上げることを標榜しました。中国館は外国館の中でも最大級の広さを誇り、伝統と未来、文化と自然、アートと技術を融合させたパビリオンとして際立った存在感を示しています。中国の文化二十四節気をテーマにしたマルチメディア映像や、『斉民要術』や『耕織図』のデジタル復元による伝統的な農業知識も紹介されていますし、都江堰などの灌漑施設や魚と桑の養殖循環システムなど、生態系と共生する中国の智慧も表現されています。
最先端技術も幅広く応用されており、月の土壌サンプルの展示や、孫悟空の3D AIキャラクターによるマルチモーダル対話のほかに、科大訊飛が提供した、来場者と中華文化をつなぐ3か国語で双方向にやりとり可能なAIモデルも来場者を楽しませています。深海探査カプセル「蛟竜号」のVR体験は、7062メートルの深海で撮影された映像を鑑賞、没入型の演出で深海世界をリアルに体感できます。中国の宇宙飛行士が宇宙ステーション「天宮」からメッセージを送るのも体験型で、宇宙と来場者をつなぐライブ感を演出しています。その他、「八つのネットワークが融合したスマートシティ」の模型を通じて、都市の未来を具象化することで、交通・エネルギー・通信などが融合した都市ビジョンを直感的に理解できる展示も注目を集めています。スマートシティに限らず、様々な分野で応用アプリを開発するその量とスピードは、まさに目を見張るものがあります。