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 第二十一回  急ピッチで進む港湾整備

山を崩し、海を埋め立て建設された100万㎡に及ぶ大連の北良新港。食糧の流通改善を目的に、世銀の借款を利用し27.87億元かけて竣工したこの港は、東北地区の食糧積出港として、また、北部の食糧を南部へ供給するル−トの要として、アジア一の貯蔵施設を誇り、60万トンの食糧備蓄能力を備えています。
最近、中国では港湾整備が急ピッチで進んでいて、2001年からの第10次5ヶ年計画では大型船用のバ−スを新たに135ヶ所建設し、2005年には総計800ヶ所、呑吐能力14.3億トンに急成長する、といいます。秦皇島港は中国最大のエネルギ−資源積出港で、昨年の石炭取扱量は全国の48%を占め、年末には中国第五の年間呑吐量一億トン突破港になり、北京から車で2時間、古くは孫文の<建国方略>でも構想された京唐港は、北瀋、津唐高速道路や主要鉄道とリンクし、北部物流の中心として一ヶ月の呑吐量が一千万トンを突破、3万トンクラスの船が接岸可能なバ−スも建設されています。
コンテナ輸送設備の整備も急ピッチ。1995年、中国初の国際コンテナ中継港になった青島港、中でもその新港区の黄島港は、中国最大の原油輸入基地、北方最大の鉱石輸入港になり、30万トンクラスのタンカ−も接岸可能であるとともに、全国最大のコンテナ埠頭を持ち、昨年の取扱量は260万ケ−スを超え、世界ベスト20に入りました。また、上海港は昨年のコンテナ取扱量が630万ケ−スにも達し、全港呑吐量も2.2億トンにまで達しているし、上海の宝山製鉄所と密接に関わる寧波港は交通部の<全国沿海港口コンテナ運輸計画>の中心をとなる三大港の一角を占め、今後5年間に60億元を投入して、最終的にはコンテナ用バ−ス62本、年間取扱量2千万ケ−スを目指しています。
コンテナ輸送は中国全体の物流をまったく新しいシステムに変えつつあり、8縦8横の鉄道建設や年間3千キロのペ−スで増加する高速道路網も大きな役割を果たしつつあります。WTO加盟による貿易量の急増に焦点を合わせ、コンテナ取り扱い業者の競争も激化する一方で、既に、中新グル−プ、上海コンテナなど10近い有力物流企業がしのぎを削っており、外資との提携も進んでいます。中国の21世紀の物流システムがいよいよその姿を見せようとしている、と言えましょう。

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