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 第252回 自動車価格の変動と中古市場の発展

(2006年11月6日)

中国の自動車販売台数は9月末時点で前年同期と比べ25%増の517万台、乗用車は31.4%増の368万台あまりとなりました。2006年の第一四半期は、4月1日からの消費税改正による中・大型車の税率アップを見据えた駆け込み需要や各メーカーの新車投入が販売好調につながり、3月までの乗用車販売台数は前年同期比54.3%増を記録しました。4月以降、駆け込み需要の反動やガソリン代の値上がりで買い控えムードが広がりましたが、結果は上述のごとく前年比30%以上の増加率を保ち、中でも一般乗用車は40.5%増で、とくに小型車の売れ行きが好調なのが注目されています。
2006年上半期に注目されたのが、車の値段はどこまで下がるのか、という点で、年初、各社が販売価格を一斉に引き下げたものの、以前のような大幅な価格ダウンは見られませんでした。高級車はまだ余力があっても、10万元を切る大衆車は既にここ数年の大幅な引き上げで余力がなく、1台売って利益は数百元といった話もあり、シェアをとるためにどこまでがんばれるか、スケールメリットが無い中小の国産メーカーは苦境に立たされています。加えて、中級車市場で20を超える車種がしのぎを削るなど各分野での競争が激しくなり、モデルチェンジのサイクルも加速、研究開発費の負担が重くなり、業界再編は不可避と思われます。今後の価格競争を勝ち抜くには、物流コストの削減や現地でいかにより安い部品を調達できるかがポイントになり、中国で生産する部品の需要を世界に求めて、大量生産によるコストダウンを図っていくことも必要になりましょう。
自動車関係で最近注目すべきは中古車市場の発展。既に数年前から急速に発展し始め、2005年には取引台数が145万台に達したとも言われますが、インチキや不法売買が横行し、規範化が求められていました。そこで政府は2006年4月に<中古車取引規範>を打ち出し、第一章では中古車販売業者が中古車を買い上げ、売却する際の所有権の移転をきちんと登記することを義務付け、また、第16条では、使用年数3年以内または走行距離6万キロ以内の一般車には3ヶ月か5000キロ以上の品質保証をするよう求めました。企業でも上海フォルクスワーゲンのように、<特選中古車>と銘打ったサービスを展開、ブランドへの信用度を高め、新車販売につなげようという動きがでています。

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