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 第284回 戸戸通電

(2007年7月9日)

2006年12月6日、重慶市忠県皇華村に電気が灯り、重慶市は全国一級行政区で18番目の“戸戸通電”(全ての家に電気が通じる)達成地域になりました。
広大な中国では、電気の普及に随分差があります。例えば、山東省は電化の進んだ地域で、既に1996年2月には“戸戸通電”を実現、その後、2002年には都市と農村の住民向け電力価格の統一に成功、更に2005年に淄博(しはく)で各種電力価格の統一を行う一方、逆に都市の工業用電力価格と農村の工業電力価格に差をつけ、農村の工業電力費用を援助する方式も実施するなど、先端的な試みを行っています。
その一方で、2006年3月末時点で、国家電網公司は同社の電力供給地域内の電気が通じていない家庭が20の一級行政区内になお140万戸、人口にして550万人存在すると発表、農村“戸戸通電”プロジェクトを全面的に立ち上げることを宣言しました。そして4月16日から7月10日にかけ、上記20の一級行政区との間で“戸戸通電”プロジェクト紀要を取り交わし、236億元を投じて2010年の第11期5カ年計画終了時までに100%の農村に電気を通す目標を掲げました。
こうした取り組みは2006年下半期から実を結び始め、9月には安徽・福建、11月には河北・湖南、12月には遼寧・重慶など多くの一級行政区が次々と“戸戸通電”を達成し、年末に累計で18地域に達したのです。
“戸戸通電”をまだ達成していない地域でも、精力的に努力が続けられています。内モンゴル自治区では2006年末、全農村地区で“村村通”を達成、今後は2010年までに全ての牧畜民が電気の恩恵を受けられるようにするという目標を掲げています。また、青海省は2006年6月に国家電網公司との紀要に調印し、今後4年、“戸戸通電”を新農村インフラ建設の重点プロジェクトとし、13億元余りを投入することを決めました。
山東省が既に実施している都市と農村の住民向け電力価格の統一も各地に広がっていますが、その一方で、公害の原因となるような“淘汰類企業”“制限類企業”に対する差別価格の実施も始まっています。2006年10月に国は今後3年で “淘汰類企業”の電力価格を50%引き上げる方針を掲げ、同月1日には第一段階の値上げに踏み切っています。

三瀦先生のコラム