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 第三十一回  価格にまつわる話

"討価還価"(値段交渉)がごく普通の中国では、商品の値段設定がどこまで正当化はなかなかわかりません。売り手と買い手がともに納得した価格が正統な価格、というわけでしょうが、ス−パ−やデパ−トなど、定価で売る店も増えましたし、飲食店など、値切り交渉に馴染まない店では、その提示価格が正当か否か、判別が難しくなります。
 ここ数年、異常な水増し価格が問題になった薬価は論外にしても、一般の商品価格設定にも問題が多いことは大方の指摘どおりでしょう。
 昨年8月に始まった"双信"(価格と量目に対する信頼)活動はこのような庶民の声に応じたものと言えます。政府は、企業内部の価格、計量の管理の健全化や、価格表示の公正など6つの基準を提示し、消費者の合法的権利を守るよう呼びかけ、更に、昨年11月1日には<価格違法行為通報規定>を定め、本年1月1日より施行、違法な価格設定の摘発に乗り出しました。また、これにあわせて、通報を奨励する規定も制定し、2000元を超えない範囲で、通報案件の課徴金の10%以内の報奨金が支払われるようになりました。
 一方、庶民の意見をより反映させるため、既に昨年7月に施行された<政府価格決定公聴暫定規定>に則り、本年、1月12日、北京の鉄道ビルでこの種の公聴会としては初めての<鉄道旅客輸送価格公聴会>が開かれ、各方面の代表33名が参加し、30名が傍聴しました。
 現在、中国では、あの手この手の価格トリックが横行しています。本年、3月29日付けの人民日報に、今年の旧正月に見られた代表的な10の手口が紹介されましたが、2重帳簿ならぬ2重メニュ−を用意して、安いメニュ−で注文させ、会計するときは高いメニュ−を使うレストラン。/サ−ビス券をもらってやれうれしやと思ったら、同額の買い物をしなかったら使えない店。/2つ買ったら1つ進呈、の進呈の中身が買った商品とは関係ないただのピ−ナツ1袋だった店。/など、手口もいろいろ。
 内需振興が至上命令の現在の中国にとって、消費者が安心して物を買える環境作りは最重要課題の1つといえましょう。

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