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 第365回08年人民日報日本関係記事の動向−その1−

(2009年2月23日)

2008年の日中間主要政治交流の筆頭には、胡錦濤国家主席の日本訪問が挙げられます。“暖春の旅”と称された5月訪問の実現には、餃子事件という難題を抱えた中、同主席の日中友好推進に対する強い意志があり、7月の洞爺湖サミットへの出席も合わせ、紙面では大きなスペースが割かれました。2008年は『日中青少年友好交流年』で、様々な行事が行われましたが、3月の開幕セレモニーに胡錦濤主席が自ら参加したことも注目を集めました。
10月には、第7回アジア・ヨーロッパ首脳会議に出席した麻生首相を迎え、北京で日中平和友好条約締結30周年記念の宴が開催されました。また、12月には福岡で日中韓首脳会議が開催され、温家宝首相が来日、12月12日付人民日報は3国による東アジア協力の推進を見出しに第13面全面を使った特集を組み、同時期に東京で開催された第12回日中経済討論会も、世界的な金融危機に対する協力関係を確認するものとして、大きな扱いを受けました。
日本の財務省が7月に公表した貿易統計速報に拠れば、アメリカ経済の縮小という要素が強いとは言え、2008年上半期、日本の対中国輸出額は戦後初めて対アメリカを抜きました。同年3月には日本観光のビザ発給条件が、4人以上の団体から2、3人の家族旅行も可に緩和され、中国の銀行共通の『銀聨カード』を取り扱う日本の商店は5月に1万社を突破、取り扱いATMも4万6千台に達しました。6月に新潟で開かれた日中経済協力会議では、中国の東北地方と日本の東北地方との地域協力に関する備忘録が取り交わされ、東北振興を地域開発における最大課題とする胡温現政権との連携も鮮明に打ち出されました。
例年の如く、スポーツ・文化面の交流も数多く取り上げられました。歌舞伎と京劇の交流は引き続き大きく取り上げられ、長らく日中友好に尽くし、死の直前に老躯をおして四川大地震の慰問に大使館を訪れた松山バレエ団の清水正夫氏、日中の漫画交流に尽くした漫画家森哲郎氏の逝去に対しては、哀悼の記事が相次ぎました。また、四川大地震での日本の救援隊に対する紹介と率直な感謝の記事が数多く掲載され、両国の国民感情を和らげました。
2007年11月に『友好の山』の絆を結んだ富士山と泰山では、2008年9月6日の泰山国際フェスティバルの幕開けに合わせ、泰山・富士山友好フェスティバルも開催されましたが、次回は、この2008年に更にどういった記事が書かれたか、具体的にご紹介しましょう。

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