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 第393回経済区の発展−西三角経済圏構想

(2009年9月24日)

2009年6月25日、国務院は<関中−天水経済区発展プラン>の承認を宣言しました。同経済区は陝西省の西安・咸陽・銅川・渭南・宝鶏・商洛や甘粛省天水を含む地域で、2010年までの第11次5カ年計画では、西部大開発における三大重点経済区の一つとしてとりあげられました。今回承認されたプランは2009年から2020年を期間としたものです。
これより前の3月、北京でユーラシアンランドブリッジ沿いに位置する連雲港・洛陽・西安など14都市が、協調して中西部地区の発展を図ろうと検討会を開催しましたが、関中−天水経済区はまさにその中核に位置します。
関中−天水経済区構想は実はより雄大な構想の始まりに過ぎません。同じ2009年3月の全人代で、重慶市の黄奇帆副市長が<西三角経済圏>構想をぶち上げ、第12次5カ年計画に組み入れるよう請願しました。<西三角経済圏>とは、重慶・成都・西安を中心とした3つの経済圏を統合し、珠江デルタ・長江デルタ・環渤海湾と並ぶ第4の極に育て上げようというものです。重慶と成都はこれまで<成渝経済圏>という概念で一体化が促進されてはいましたが、第11次5カ年計画には入っていませんでした。2007年3月、胡錦濤主席は重慶に対し“314総体部署”(西部地区発展の重大な要、長江上流地区の経済の中心、都市と農村が一体となって発展する直轄市という3つの役割/西部地区で率先して“小康社会”を建設するという一つの目標/その他4つの任務)を示しましたが、これを受け、西部大開発発動10周年の今年、新たな構想が提起されたわけです。
重慶・成都・西安の3大都市がそれぞれの特長を生かして互いに補い合えば、そのメリットは計り知れません。交通インフラの整備が進み、既にこの3大都市間は1時間の空路で結ばれています。また、現在既に着工中または計画中の高速道路や鉄道が完成すれば、陸上でも3時間経済圏の構築が可能になります。2009年5月、四川省・重慶市・陝西省の三地域が<共同で「西三角」経済区を構築することに関する活動合意書>にサインし、交通・エネルギーなどの重要なインフラの接合を図ることになりました。50の都市を含み、総面積最大30万平方キロにおよぶこの巨大な経済圏が機能し始め、東西をつなぐと同時に大西南とも連なれば、西部地区全体の発展に大きく貢献することでしょう。

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