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 第394回経済区の発展−中部経済圏の現状

(2009年9月28日)

全国が幾つかの経済圏に組み込まれ、それぞれの経済圏が膨張して、互いに境を接し、更に重なりあう状況が各地で生まれています。其の好例が中部経済圏で、同経済圏を構成する6つの省(山西省・河南省・安徽省・江西省・湖北省・湖南省)は、元々、東部地域と西部地域をつなぐ働きを担う役割もあり、交通インフラの急速な整備とともに、沿海の先進経済圏にリンクする動きが活発になってきています。
例えば、山西省は限りなく環渤海経済圏との結びつきを強め、既に其のメンバーといってもよい状況ですし、そもそも、2006年に中央政府が中部経済圏に力を入れ始めたのも、従来、このメンバーでは経済的に後進であった安徽省や江西省が長江デルタ経済圏の輻射熱を受け、他の省を凌ぐ成長率を達成したことが他の省を刺激し、政府への働きかけを活発にしたといういきさつがあります。
昨年来の経済危機の中で、中部地域は、第一四半期の固定資産投資額が前年同期比で34.3%増え、全国平均を5.7ポイント上回りました。また、6省中4省のGDP増加率が2桁に達し、安徽省は17.7%、湖南省も13.1%を記録しました。しかし、中部地域は、全体としてはいまだ経済の構造調整が進んでおらず、環境に対する負荷が高い、高消費、高汚染型の資源型工業が主になっています。上述の如く今年第一四半期は世界同時不況の影響がまだ大きく及んではいませんでしたが、沿海地方の不況の波はじわじわとこの地域にも押し寄せ、其の波を食い止めるためには、将来を見据えた思い切った改革が必要になってきています。人口が全国の3分の1、経済総量が5分の1に達する中部経済圏の成否は、中国経済の発展に重大な影響を与えるからです。
2009年3月、湖北省の孝感市は北京で投資を募り、10のプロジェクトで環渤海湾経済圏からの呼び込みに成功しました。また、湖南省南部の“大湘南”と言われる地域は、投資獲得に向けた34の政策を実施、省政府も<湘南地区開発開放に関する決定>を打ち出し、珠江デルタの労働集約型産業の積極的な誘致に取り組んでいます。また、伝統的な重工業都市で、 “両型(資源節約型・環境友好型)社会”建設の全国的モデル地区、武漢市では、水の浄化を目指す“碧水”プロジェクトなどモデルチェンジへの新しい試みが進んでいます

三瀦先生のコラム