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 第435回結婚にまつわる話

(2010年8月16日)

最近話題になっている流行語が“全裸婚”“半裸婚”。一見ドキッとさせられますが、要するに、これまでのように「結婚するならマンションがなくちゃ、マイカーが」とか、更には「年収がいくら以上」といった様々な条件をつけずに結婚を承諾するのが“全裸婚”、そこまでは行かないが、条件をより限られたものに絞るのが“半裸婚”で、改革開放による経済発展で年々豪華を競うようになった中国人の結婚様式に変化が生じているようです。
新中国後、1950年に最初の婚姻法が制定され、それまでの、儒教を根幹とした封建的な結婚観が覆され、婚姻の自由や男女平等が謳われました。1980年には、性格の不一致による離婚が認められ、離婚の自由が実質的に成立しました。また、2001年の修正ではDVの禁止も盛り込まれました。DVについては、2008年5月に最高人民法院中国応用法学研究所が<家庭内暴力案件に関わる審理指南>を発布し、あわせて9ヶ所の末端の人民法院をモデル地点に指定しました。湖南省では、これに沿って被害者側に立った“人身保護令”が出され、また、2009年4月には<家庭内暴力被害女性に対する司法保護を強化することに関する指導意見(試行)>も同省高級人民法院審議委員会で可決されました。同省婦人連合会によれば、実地調査した女性服役者3000名のうち400名余りがDVの被害にあっており、多くはその復讐が犯罪に繋がっている、とのこと。
時代が急速に変化する中、若者の結婚意識は大きく変化しています。江蘇衛星放送テレビの<非誠勿擾>を初めとする各種“婚恋”番組は“80後”(80年代生まれ)に大人気。女性側が付ける数々の物質的注文には賛否両論、囂々たる非難の声も上がっています。“80後”では家計の夫婦割り勘が流行、ネットで知り合い結婚する若者も増えていますし、結婚拒否の独身貴族に加え、同性愛者も数千万に上るとのこと。
一方、離婚も増えています。民生部の統計では、2007年の全国の離婚手続き率は209万8000組で前年比9.7%増、年々上昇の一途とか。しかも人格的にも経済的にも独立心が高まっている女性側からの離婚申し出が益々多くなっています。女性の平均寿命が75.25歳に達し、全国の就業者の45.4%を女性が占め、小学校の女子入学率は99.54%に達し、大学院の半数近くが女子学生で占められた中国。夫婦のあり方も大きな転換期を迎えそうです。

三瀦先生のコラム