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 第四十四回  基準化への動き

 昨年の全国の企業の債務付回し(“三角債”)総額1兆5千万元。4大銀行に口座を開設している企業の半分以上が債務逃れ。去年の金融犯罪7千件。消費者からの企業の背信行為に対する訴え10数万件。月餅の老舗、南京冠生園のあんこ事件による破産。浙江省舟山の消毒水混入エビによる大損害…。
WTO加盟を契機に、政府は中国企業の経営体質や生産の質を国際的な基準に合わせ、信頼を取り戻すべく大奮闘。昨年末時点での国際標準導入数は6300に達し、昨年10月に発足した国家標準化管理委員会によれば、今後毎年、更に1500〜2000項目の国際基準を導入、第10次5ヵ年計画中に全国際基準の70%以上を導入する計画です。
品質認証企業もブ−ム。今年1月には、認証分野で初めての合弁企業(中国とドイツ)も設立されましたし、6月に行われた第1回品質専門技術者資格試験には6万5千人近くが受験しました。その一方で、品質認証企業の資格自体が問題になっているのもいかにも中国らしい話。4月にスタ−トした中国品質認証センタ−(CQC)は、1500あまりの認証組織に対し“三つの調査”活動を展開、446社の資格取り消し、177社の資格一時停止を発表しました。
信用できる企業、できない企業の名前を公表しようという動きも盛んになってきています。北京、上海、青島など各地で悪質企業の“黒名単”(ブラックリスト)や“紅名単”(優良社リスト)が作成され、北京では既に414社がブラックリストに載せられました。優良企業に対しては、昨年は、16種187社に製品検査免除資格を与えられ、今年も、24種類の分野と10種類の食品について審査が行われています。この5月に、ハイアルがCQCから中国初の3C(中国国家強制性製品認定)認定書を与えられましたが、更に多くの企業がその後に続くことが期待されています。
先頃、深圳がOSHMS(職業安全健康管理システム)を導入することを明らかにしました。ISO9000(品質管理システム)、ISO14000(環境管理システム)に続く導入ですが、このような動きが加速することは必定で、2002年いう年は、中国企業の国際化という面で特筆すべき年になると思われます。

三瀦先生のコラム