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 第463回人口問題最近の事情−その1-

(2011年4月18日)

2009年末の中国の人口は13億3474万人(香港・澳門・台湾を除く)、中国人口学会は「2015年には13億9000万人に達し、都市人口は7億人と初めて農村人口を上回る」と予測しています。詳しく見ると、現段階で労働人口は全人口の71.68%と世界で最も高く、2016年には16〜64歳の人口が9億9000万人のピークに達します。「人口ボーナスは2035年まで続き、高齢化社会に突入しても、2050年時点で労働人口はなお先進国の総和を上回る8億7000万人を維持する」との予測もあります。
中国が人口抑制政策に本格的に取り組んだのは1978年から。翌年からいわゆる『一人っ子政策』への取り組みが始まりました。爾来30数年、その成果は「総計4億人以上の出生を抑制した」と言われます。現在9400万人の会員を擁する「中国計画生育協会」は各地の地域社会で計画出産活動を展開しており、例えば湖北省武漢市では「結婚前訪問」:「婚前検査サービスの提供」、「結婚後訪問」:「優生生育の宣伝」、「妊娠後訪問」:「保健指導」など10項目の訪問サービスを行っています。
こういった活動は、全国70%の村が自主的に取り組むなど民衆の自治活動になりつつあり、例えば、計画出産に協力した家庭に対して、新農村合作医療システムにおける個人出資分を村が肩代わりする事を決めた湖北省の柏樹湾村のように、法律の範囲内ならばそれぞれの土地に応じた柔軟な制度の運用が認めれています。河南省鄭州市からは、協力家庭の60歳以上の老人に対しては国の規定した養老補助費年額840元を1000元に増額し、事情によっては無料で敬老院への入居を認める優遇措置を打ち出しました。こういった計画出産協力家庭の基準も最近は一人っ子から娘二人家庭へ対象が拡大されつつあります。
一方、栄養や医療の改善で寿命は68歳から73歳に伸び、乳幼児の死亡率も20%から1.49%に減少しました。中国老年学会は①100歳以上の老人が10万人に7人以上 ②80歳以上が人口の1.4%以上 ③その地区の平均寿命が全国平均より3歳以上など15の項目を基準に既に全国で12の『長寿の里』を認定していますが、こういった情況の中で、中国の人口政策はどのような課題を突きつけられているのかは次回に。

三瀦先生のコラム