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 第484回中国の都市化プランとスマートシティ

(2011年9月5日)

2009年に都市人口が遂に6億人を突破(都市化率46.6%)した中国。都市の数も660に達しています。そこで今論議の的になっているのがどんな都市づくりを目指すか、という点。スマートグリッドからスマートシティへ、という流れの中で、エコシティプロジェクトが続々スタート、将来的には100都市を視野に、既に「中新天津生態城」を初めとして曹妃甸・広州など10以上の都市で建設が進んでいます。こうした動きに「ビジネスチャンスを逃すな」と、日本も官民挙げて合同チームを結成、中国へのアプローチに余念がありません。
それぞれの都市にはそれぞれの特長を生かした都市づくりプランがあり、例えば、北京は「2050年には多方面の指標をクリアした、ニューヨーク・ロンドン・東京などに匹敵したバランスの取れた世界的都市になること」を目標に掲げていますし、重慶は都市と農村の経済的社会的一体化モデルケースとして“5つの重慶”(“宜居”「住みやすい」、“暢通”「交通の便が良い」、“森林”「緑化」、“平安”「安全」、“健康”「健康」)をキーワードに掲げています。
都市化には様々な要素があり、政府の目指す方向は、全国緑化模範都市/全国環境模範都市/デジタル都市/国家健康モデル都市/国家園林都市/国家衛生都市といった様々な称号からも推察する事ができます。
都市化を進めるには、総合プランと個別プラン、経済と社会の長期発展プラン、空間・土地利用・環境保護・人口発展など様々な角度からのプランを考える必要があります。持続的発展型(“両型城市”)(“和諧城市”)、経済・社会調和型、都市・農村調和型、社会保障・社会福祉充実型、人口・環境調和型、歴史・文化調和型、健康充実型、都市生活公共インフラ整備型、交通発達型、デジタル型、教育充実型、資源枯渇脱却再生型、“創新”型、地域発展中核型といった様々なタイプの都市建設目標が登場している事は、まさに今の中国都市建設が模索している方向を分かりやすく反映していると言えましょう。
このように中国スマートシティ建設のボルテージは日増しに上がっていますが、中央政府主導の大型新都市建設だけが市場なのか、新都市建設と再開発の違いはどこにあるか、視点を転換し、地域の視点をしっかり導入し、地域の特性・文化を基礎に据えた総合プランを提案できるかが今後の中国都市づくりビジネスの成否を決めるでしょう。 

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