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 第五十一回  日中関係記事三題

 この秋は、日中国交回復30周年で、数々の記念行事が盛大に行われ、日本では記念切手も発行されました。人民日報にも、日本に関する記事が多く見うけられましたが、その中から印象に残った記事を論評無しで3つご紹介し、ご参考に供したいと思います。
まず、第一は、終戦記念日にちなんで掲載された8/16の記事。執筆者は元駐日大使の楊振亜氏で、記事のタイトルは、<日本の皇室との友好交流>。
記事の内容は、まず、皇室の日本における戦前と戦後の位置づけの変化を説明しつつ、日本国民の皇室に対する幅広い敬愛の念を指摘、皇室との友好を保つことが日中関係の発展に重要であることを力説しています。そして、両陛下の訪中前後のご様子をつぶさに紹介し、両陛下や皇太子殿下、他の皇族方の行き届いた心遣いや温かい人柄、質素な生活ぶり、中国に対する真摯な姿勢をつぶさに伝えています。
第二は同じ8/16の記事。<対日輸出野菜は安全ではないのか?>というもので、いわずと知れた冷凍ほうれん草残留農薬事件に関連して発生している中国産農産物に対する日本側の拒否反応に対する反論です。
「一部の日本のメディアが大げさに騒ぎたて、中国産は危険だという誤ったイメ−ジを消費者に植え付けている。これは形を変えた保護貿易主義で、WTOの原則に違反している。厚生省は今年1〜8月に中国産の野菜に対し7001回の検査をし、基準値を超えた農薬残留は0.5%の36件。また、冷凍ほうれん草にしても、日本の大根の許容値が3ppmなのに、0.01ppmという厳しい基準を適用し、人為的操作をしている。」
第三は9/2の記事。タイトルは<外債資金をしっかり管理し、しっかり使おう>というもので、サブタイトルは<湖南省、甘粛省日本政府借款プロジェクト調査>。
この記事は、1980年以来日本が、一般よりはるかに低い利率で2兆8292億円もの借款供与をしており、中国に対する24の外国政府借款中最大額で総額の半分以上を占め、中国の建設資金不足を相当程度補っている、と述べ、特に、最近の西部大開発の中で、日本からの借款が人々の生活向上のためにいかに有効に使われているかを、実例を挙げて紹介しています。

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