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 第535回公共サービスの現状

(2012年09月18日)

2012年1月18日付人民日報に“服务为先,主动作为”と題する短評が掲載され、「サービス型政府を基礎とする社会管理方式こそが積極的且つ効果的な模索」であり、「国民の願いを尊重してこそ社会管理は実効あるものとなる」という考えが示されました。ともすれば治安維持が主眼となっていた社会管理に対する問題提起と言えます。
急速な経済発展の一方で拡大する地域間・都市と農村間・異なる階層間の所得と社会保障の格差をほうっておけば、社会の安定を脅かしかねません。「民生−公共サービス−公共サービスの均等化」と意識改革を進め、広範かつ公共性のある、非営利的なサービスを充実させる必要が認識されつつあるのです。公共サービスとは、司法や警察・消防の業務、更に交通や医療衛生・教育などといった公的機関が提供するサービスを指しますが、現在の中国では何が特に重点項目になっているのでしょうか。人民日報が2012年春の全人代にあわせて “民生:新目标,再出发”と題して組んだ特集(2012.3.14)では、具体的項目として就職・医療・環境保護・養老・食品の安全・住居があげられています。
北京市では最近<北京市第12次5カ年計画期社会公共サービス発展プラン>が打ち出され、小中学校の合理的な配置、教師や教育資源の均質化、市・区(県)・街道・社区(村)4段階での公共就職サービスシステムの構築、社会保障の都市・農村一体化と保障の多様化、地域医療センターと専門別医療サービスシステムの構築、公共文化サービスシステムの形成など「2015年には中等先進国並みの水準を達成する」という目標が掲げられました。
安徽省銅陵市では<市政府が民間団体のサービスを購入するテストケース実施に関する意見>が出され、2012年から福祉機関介護人員の養成や心理カウンセリングなど一部の領域で実施される事になりました。また、江西省南昌市では住民の相談に直ぐ乗ってくれる10分間エリア、直ぐ医者にかかれる15分間エリア、通学に便利な20分間エリアの構築といった試みも始まっています。
国家発展改革委員会によれば、2012年の中央政府の予算の3分の2は民生に注入され、農村合作医療補助基準は200元から240元に引き上げられ、都市部の就職数は900万人以上を達成し、保障住宅は500万棟を完成、700万棟以上が着工するとのことです。

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