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 第574回九大産業再編へ

(2013年06月17日)

2012年12月に開催された中央経済工作会議。発表された方針の中に「産業政策をきちんと誘導し、時代遅れの生産設備を淘汰し、合併再編を進め、産業配置の合理化を推進する」という項目が盛り込まれていました。産業再編の掛け声は今に始まったことではありませんが、リーマンショック以来のやみくもな設備投資が多くの産業分野で需要をはるかに上回る生産設備の過剰を生み、半数近くの設備が遊休状態とか、あるいは在庫が山積みで値崩れを起こしている業界もあり、問題は深刻です。 
2013年1月22日、工業情報化部・国家発展改革委員会・財政部など12の関係部門による国務院企業合併再編促進作業省庁横断協調小組が連合で<重点産業企業合併再編の加速推進に関する指導意見>を発布、以下の如く9大産業・領域の合併再編について、その主要目標と重点任務を提起しました。
1. 自動車:2015年、メーカー上位10社の集中度90%。大型企業グループ3-5社。
2. 鉄鋼:2015年、上位10社の集中度60%程度。国際的な企業グループ3-5社。
3. セメント:2015年、上位10社の集中度35%。国際的建材企業グループ3-4社。
4. 造船:2015年、上位10社の竣工量が国内の70%以上。世界ベストテンの5社以上。
5. アルミ:2015年、上位10社の生産量が国内の90%。
6. レアアース:採掘と精錬を一体化させて大企業を育成、集中度を高める。
7. IT:2015年、販売収入1000億元以上の大型企業5-8社。5000億元以上に企業も。
8. 医薬:2015年、上位100社の販売収入が業界全体の50%以上。上位20社の基本薬物主
要品種の販売量の市場シェアが80%。
9. 農業:リーディングカンパニーを優良生産地域に投入し、補完し合い連携し合う企業群を
育成、地域の主要産業を育成し、地域経済の実力を高める。 
こういった方針は上記の産業界に限るものではなく、政府は各地方政府に対し、それぞれの実情を踏まえ、他業種にも必要な措置を講じるよう呼びかけています。一方で、このような動きが寡占による弊害を生むのを避けるため、法に則った公正な手順が求められており、政府が傷を治療か、市場が自ら治癒するのか、と合併再編における政府の役割に論議も。

三瀦先生のコラム