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 第575回大学経営の現状と改革

(2013年06月24日)

中国の大学が今、大きな曲がり角に立っています。1998年以降、当時の朱鎔基首相は国有企業改革・行政改革を断行、多くの人員をリストラし、彼らの再就職と新規就職者とのバッティングを避けるため大学入試枠を拡大、一部高卒者の社会参加を4年後にのばす方策を講じました。その結果、1999年から大学募集枠が拡大され、進学率は急上昇を始めました。
その勢いに歯止めがかかったのが2009年以降で、2012年の一般大学応募者数は915万人と4年連続下降しました。地域別では、西部地区を中心に12の一級行政区で増加したものの、河南省では4年間で16.5%縮小、上海市に至っては、5.5万人の募集枠に対し応募者は4.9万人、実質受験者で見るとほぼ全入になっています。専科では一層顕著で、山東省では合格最低点が2002年の350点から2011年には180点に下がり、それでも定員に満たない状況です。一方、全体に占める農村籍大学生の割合は2001年の48%から2011年には61%に上昇しましたが、今後の入学者不足を補うには、2011年に29万人に達した海外からの留学生の取り込みが必須になり、教育内容の国際化が差し迫った課題になっています。
中国の大学は2012年時点で2700校余り、在校生は3000万人を超え、進学率は26.9%に達しています。この世界一の規模を誇る高等教育のもう一つの課題が教育の質の向上と内容の充実です。1995年にそれまでの重点大学に替わって指定された、21世紀にレベルの高い大学100校を、という“211プロジェクト”や、更に1998年5月に始まった、世界の一流大学を目指す“985プロジェクト”(発足時9校、2011年時点39校)はその意気込みの表れです。その結果、大学院の拡充に関心が集まり、修士課程受験生も2011年151万人、2012年165.6万人、2013年176万人と増加の一途を辿っていますが、最近「本科の充実が無ければ、真のレベルアップとは言えない」「教員中心から学生主体の授業によるイノベーション型人材の育成へ」という反省も盛んになってきました。
2012年10月、教育部は<大学本科専攻学科目録(2012年)>を発布、学類は芸術学類を設けて12学類とし、専攻学科は635種を基本専攻352種・特設専攻154種の506種に減らす一方、一定の監督を受ける条件の下で、大学側にこれ以外の専攻を許認可なしで設ける自主権を付与しました。今後、社会の需要にどう応えるか、各大学は独自の工夫を求められます。

三瀦先生のコラム