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 第五十八回  私企業の動向-その2

  それでは、各地方での民営企業の発展状況はどうなっているのでしょうか。
  寧波市の南に位置する台州市。1982年、中国で最も早く株式協力制企業の雛形を立ち上げた同市には、現在、個人企業、私営企業、株式制企業、中外合弁企業などの民営企業が22万社あり、同市の経済全体の90%以上を占めています。台州市では一品一村運動が行き渡っていて、100以上の専業生産基地があり、民間経営による各種交易市場は569箇所に上っています。 華東地域で最初に設けられた青浦区の富民私営経済開発区が10周年を迎えた上海。今では180あまりの経済小区が出現、その私営企業数は18万社と、上海の全企業 の50%を突破しています。今年3月には企業輸出入経営権認可資格を大幅に緩和し、私企業の輸出への参入が急増しています。
 民営企業の発展が特に目覚しい広東省では、省政府の"越位、缺位、錯位"(越権介入、公共サ−ビスの手抜き、企業の命運を左右)」をやめ、更に民営企業の80%以上を有限会社化して家族経営から脱却させ、企業統治(コ−ポレ−トガバナンス)の確立を目指しています。民営企業の労働集約型から資金技術集約型への転換も顕著で、技術系企業は3200社余り、輸出型企業も843社を数え、私営企業の輸出額だけで省全体の3%を占めています。また、合併吸収、株式の保有、資本注入などの方式で 国有企業改革の重要な担い手にもなっており、失業者を吸収する受け皿としても大き な役割を果たしています。 民営企業の発展は、内陸部でも大いに注目されています。既に青海省は投資相談会を 通して東部地域の民営企業からこの3年で116億元の投資を獲得し、雲南省は第10次5カ年計画中に民営ハイテク化を推進することを目的とした<300プロジェクト>を打出し、陝西省は中小企業サ−ビス協会を設立して資金、技術、人材面でのサポ−トを始めました。
 このような中小企業の発展に欠かせないのが資金面での援助。中国建設銀行は浙江省の中小企業発展のために向こう3年間で500億元を貸し付ける協定に調印しましたが、北京商業銀行が創立以来6年で計30億元余りの資金を中小企業に貸し付けたように、大手銀行以外の地方銀行が果たすべききめ細かい役割ももっと重視されるべきでしょう。

三瀦先生のコラム