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 第580回珠江デルタ、新たな模索

(2013年07月29日)

2012年12月に汪洋に替わって胡春華が広東省書記に任命されましたが、その広東省では今、注目されるべき発展プランが始まっています。同省は近年のアメリカ経済の低迷と欧州経済危機の直撃を食らい、2012年上半期には輸出の増え幅が全国平均を下回り、量から質への転換、即ち独自技術を擁する自主ブランドの創出が急務になっていますが、それと平行して、より一層開放された経済体制づくりも待ったなしになっているのです。
そこで今脚光を浴びているのが三大エンジンと言われる“横琴新区・南沙新区・前海深港現代服務合作区”の設置。珠江河口の湾奥に位置し、広州市の海への出口となる“南沙新区”を中心に、東岸沿いに深圳から香港へ下る中間の繋ぎの部分に位置するのが“前海深港現代服務業合作区”、反対側の西岸を珠海から澳門へ抜け、橋で繋がる島が“横琴新区”のある横琴島で、“南沙新区”を頂点としてAの字型を形成し、「広東のゴールデントライアングル」とも称されています。3地区は協力した発展を目指しており、既に<法治化国際化されたビジネス環境を共同で創造することに関する協力枠組み協定>を締結しています。
それぞれの役割ですが、要の位置にある“南沙新区”はまさに広州・香港・澳門3都市協力のための総合的なプラットホームであり、それを取り巻く広東省の各地域、即ち東莞・仏山・中山、更にその周辺の惠州・肇慶までも視野に入れた中心的な働きをします。一方、“横琴新区”の特徴はクリエイティブ産業、ハイエンドビジネス、現代サービス業に重点を置いていることで、“前海深港現代服務業合作区”は金融改革重点地区になっています。
<前海深港現代服務業合作区総合発展プラン>が国務院よって国家戦略に格上げされたのは2010年のこと。これは<珠江デルタ地区改革発展プラン綱要(2008-2020)>に沿ったもので、政府は香港における人民元オフショア市場の育成、人民元の国際化推進をサポートする前線基地としての役割を前海に期待し、従来の経済特別区をはるかに凌駕する先行的な試みを実施しようとしています。2012年末に習近平総書記が鄧小平に倣い南方巡察に出かけ、最初に訪れたのがほかでもないこの前海で、政府がこの試みをいかに重視しているかを如実に示した行動と言えましょう。前海の試みには更に金融業の対外開放実験窓口、現代サービス業に関する税制改革、関連人材の育成も含まれています。

三瀦先生のコラム