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 第633回 スマホ業界の角逐−その2−

(2014年08月25日)

ソフト関連ではネット金融も急成長。アリババが支払い用口座預金を活用して2013年6月に販売を開始したオンライン金融商品「余額宝」は、銀行の預金金利が3%程度なのに対し5%前後という高金利で人気を集め、2014年3月末で利用者8千万人、6月末では1億人に達し、運用資産残高は900億ドル(約9兆1400億円)を超えました。これにテンセントやバイドウも参入し、2014年3月末時点で既に三社計16兆円前後に達しています。
スマホ本体では、2014年第一四半期に新興国市場が28.6%増と大幅にしましたが、その特徴は100ドル前後の低価格品の攻勢で、中国メーカーの進出が目立ちます。首位サムソンが30.2%で前年同期比1.7%ダウン、2位アップルが15.5%で1.6%ダウン(純利は5四半期ぶりに前年実績を上回ったが、平均単価が前期より40ドル下落)したのに対し、3位の華為は4.9%と0.6%アップ、4位のレノボは4.6%と1%アップしました。また、中国スマホ市場で2013年に1870万台を売り上げ、第4四半期にはアップルを抜いた北京小米科技は2014年の販売目標を800億元(1兆円)とし、2014年4月8日の創業4周年記念ネット販売では、1日に130万台(15億元)を売り上げました。一方、華為は日本での攻勢も強めています。2014年は、通信会社を自由に選べるSIMフリースマホ「アセンドG6」を日本で発売。6万円以上するアップルの「アイフォーン」に対し2万9800円という安値で挑んでいます。
この安値を可能にした一例が台湾半導体大手、聯発科技(メディアテック)のビジネススタイル。同社は半導体の設計開発のみに特化したファブレス=工場無しメーカーで、台湾のTSMCやUMCに生産委託し、2014年第一四半期では、スマホ向け格安半導体(クアルコムより3〜5割安)と簡単にスマホが作れる技術支援でインドや中国の新興スマホメーカーを支援して大幅増益を達成、アップルやサムソンに揺さぶりをかけています。 
中国企業はタブレットにも参入しています。小米はシャープの液晶やソニーのカメラを使い、台湾企業(ホンハイ)に組立させ、「OSはアンドロイドで、ipadアプリがそのまま使える」ことをキャッチにアップルより5割以上安い2万4000円で殴り込み。世界第5位のレノボも「シンクパッド」などで、また、華為も安値で攻勢を仕掛けています。

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