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 第673回 鉄道整備で全国の物流に変化−その1−

(2015年06月15日)

中国の鉄道固定資産投資額は、リーマンショック後の緊急経済対策で急伸、2010年には8426億元と2008年の2倍を超えましたが、2011年の大事故と鉄道省再編絡みでいったんは減少、しかし、その後年々増加し、2013年には6500億元の予算を組み、年間旅客輸送量と貨物輸送量はそれぞれ前年比7.5%増、3.5%増という目標を掲げました。同年9月、福建省と内陸部を結ぶ向甫鉄道の開通により高速鉄道営業キロは1万キロを突破、世界の高速鉄道の45%を占めるとともに、高速鉄道整備計画の四縦幹線がほぼ完成しました。同年11月、年初に計画されていた鉄道建設項目が38から47に上積みされ、フフホト-オルドス間の鉄道など全工事が着工しました。また、同年末、広西チワン族自治区の南寧から北京に直通する高速鉄道が全線開通し、これまでの26時間が10数時間に短縮されることになり、中国全土の時間的距離が大幅に短縮され、物流革命が全国的に展開する号砲となりました。
こういった動きの中で特に注目されるのは、鉄道建設の重点が中西部に向けて大きく傾斜したことです。2014年1月に開催された中国鉄道総公司の工作会議で、盛光祖総経理は、2014年の固定資産投資額を7000億元とすること、新線を6600キロ建設すること、年間旅客輸送量と貨物輸送量それぞれ22.7億人、32.8億トンにすることなどを示唆したのち、第13次5カ年計画(2016-2020)中も高い投資を維持し、その中で2014年は中西部地区を重点とする、と言明しましたが、4月にはその数字を更に改め、2014年の固定資産投資額は7200億元に、新線は7000キロ建設するとし、新着工プロジェクト数も44から48に増やしました。これらが達成されると、第12次5カ年計画中全体では、中西部地区に1.85兆元が投入され、2.3万キロの新線が営業を開始します。
2014年7月1日、2007年以来の大規模なダイヤ改正が行われ、30路線の所要時間が大幅に短縮され、2000キロ以上を走る長距離列車も大増発されました。毎日全国を走る4894列車の54.4%が“動車組”と呼ばれる高速鉄道で、陝西省西安-山西省太原間は従来から5時間半も短縮されて3時間足らずに、四川省成都から杭州までは従来の半分ほどの15時間に短縮されました。北京から広西チワン族自治区南寧も13時間で到着するようになりました。
その後の動きと、地方別取り組み、関連政策は次回に。

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