企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

 第678回 整備が進む著作権−その3−

(2015年07月21日)

<国家知財権戦略綱要>実施5周年に当たる2013年は、著作権登録数が1009657件(前年比22.08%増)、完成作品著作権登録数も845064件(前年比22.89%増)となる一方、著作権関係全国民事裁判数も1388件(ネット視聴が56%)発生しました。こうした中、政府は「知財権関連訴訟対処方法の指導を強化し、企業の海外における知財権擁護を援助する」ことを謳った<2013年国家知財権戦略実施推進計画>を策定、3月には改訂<著作権法実施条例>、改訂<情報ネットワーク伝播権保護条例>を施行し、「著作権法第48条に列挙された権利侵害行為があり、なおかつ社会の公共的利益に損害を与え、違法営業額が5万元以上の場合、著作権行政管理部門はその額の1倍以上5倍以下の罰金を課すことが出来る」としました。また、6月には国家版権局が19の重点サイトを直接チェックする重点作品版権監督警告体制を確立、「四半期ごとに視聴数上位50作品の契約文書を提出、未契約あるいは契約期間超過については自主的に削除し、違反したら処罰する」ことが明記されました。7月には青島に国家版権交易センターも開設されています。
こうした流れを受け、同年11月、「中国オンラインビデオ反海賊版連盟」は<中国オンラインビデオ反海賊版連合行動宣言>を発表、提訴案件は百件を超え、バイドゥに3億元の損害賠償請求、12月に国家版権局が「バイドゥ」「快播」に罰金各25万元の支払いを命じました。同じ11月に出版企業30社も「タオバオ」と<図書版権保護補充協定>を締結、オンライン海賊版図書販売行為撲滅で協力することになりました。
2014年、“剣網”活動は 2014年の四大任務として①デジタル版権の保護。②ネット上での転載規制。許可・報酬システムの整備。③法的擁護。権利者の行政訴訟を民事、刑事両面でバックアップ。④海賊版の摘発。文字、音楽映像、ニュース、ゲーム等のサイトの監督強化。を掲げ、これに則り、9月にはネット著作権侵害海賊版事案第2陣10件を発表、また、国家新聞出版ラジオ映画テレビ総局は外国の著作権を侵害する作品の流通に歯止めをかけるため、インターネットを通じた外国映画、ドラマ、アニメの管理を強化する、と通知しました。また、それに乗じて、作品内容も検閲するとして、2015年4月以降、当局の事前許可を得ないと放映を禁止する方針も打ち出しています。

三瀦先生のコラム