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 第687回 考古学この2年

(2015年09月24日)

毎年発表される十大考古新発見。2013年に最も一般庶民の関心を呼んだのは、同年3月に揚州市の建設現場で偶然発見された2基の墓でしょう。その一つからは「隋故煬帝墓誌」が精巧な埋葬品と共に出土し、更に50歳前後の人の歯も発見され、もう一つの墓からは56歳ほどの女性の人骨も出土、隋の煬帝と夫人蕭后のものと鑑定されました。
河南省洛陽市では、「箱根山」の歌にもある函谷関の漢代の遺跡が発見されました。2100年前のこの遺跡は当時のシルクロードへの出発点でもありました。
四川省成都市の天回鎮老官山では、前漢の木棺から9冊の医学書が出土しました。その中に、中国最古と目される完璧な経穴人体医学模型図が残されており、中国医学の研究に重要な意義を持つと思われます。また、その一部は、名医を謳われながら其の伝承が全く失われていた扁鵲系の医学書である可能性が高い点も注目を浴びています。
2014年の重大発見では、まず、河南省鄭州市の東趙遺跡が挙げられます。100万㎡に及ぶこの遺跡では、竜山文化晩期から二里頭期・殷代・周代に至る遺跡が発掘され、夏王朝の成立を研究する重大な手掛かりになりそうです。
河南省では隋代の巨大な食糧備蓄庫が発見され、当時の大運河の食糧輸送における役割を科学的に実証しました。この他、チベットでは、吐蕃の前、2000年余り前に栄えた「象雄国」の11の墓が発見され、貴重な文化財が大量に出土、その独特な文化がベールを脱ぎました。
考古学の研究も多くの成果を挙げています。2014年には、未公開甲骨片から新たに34の新しい字が発見されたことが報道され、また、広東省で旧石器時代早期の遺跡が発見され、同地域の人類の起源が数十万年も遡りました。2015年に開催された「中国考古学研究中日フォーラム」では、北京原人が火を使っていたことが実証的研究で明らかにされています。
考古学愛好家のロマンを掻き立ててやまない楼蘭遺跡。ロプノール地域に対して、2014年から5年をかけて第三次野外調査が行うという発表がありました。どんな新発見があるのでしょうか。秦の兵馬俑二号坑でも2015年から第2次発掘が始まっています。2015年はまた、考古学者尹達が紅山文化の存在を正式に提起して60周年になります。この間、530ヶ所の集落と5ヶ所の祭祀遺跡が発見され、中華文化の起源を解明する重要な手がかりとなっています。

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