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 第723回 ブランド−その1−

(2016年6月13日)

「ブランド化」合言葉になってきています。国務院が<中国製造2025>プランで中国製造を“由大变强”「数量大国から品質大国」へ変える方針を打ち出して以来、人民日報には関連記事が次々と掲載されました。最近の主なタイトルを拾ってみると、<从中国制造迈向中国品牌>「中国製から中国ブランドへ」はそのものズバリのタイトル。また、さらに世界へ打ってでよう、という勇ましいタイトルが次々に現れました。<品牌,中国走向世界的敲门砖>「ブランドは世界への足掛かり」では“联想”“华为”“海尔”“三一重工”といった企業が名を連ね、<中国品牌闪亮世界>「中国ブランド、世界に輝く」では、世界の500ブランドの中に中国企業が29社ランクインしたことが紹介されました。世界第二位の製造大国でありながら、実態はOEM大国に過ぎなかった過去の苦い思いが反映されています。よく引き合いに出される例がバービー人形。アメリカでは一体10ドルが生産地中国での出荷価格はわずか2ドル、利益はたった0.35ドルです。<生产线上为何满眼“洋品牌”>「生産ライン上は海外ブランドばかり」は自動車部品の話。世界最大の自動車生産国でありながら重要部品の7割が国外ブランド品と言う現状。<用中国品牌讲中国故事>「中国ブランドで中国ストーリーを」は、ドイツのBMW、ベンツ、シーメンスに続け,中国の“腾讯”“中国移动”“华为”“阿里巴巴に続け、が合言葉。<“品牌中国”形象日益提升>「ブランド中国のイメージ、日ごとに上昇」では、2011年比で2015年の“BrandZ世界ブランドトップ100”の増加率が45%増だったのに対し、“同中国ブランドトップ100”は59%も増えた、と自画自賛。“腾讯”のブランド価値はこの間に2011年の542%になったとも。各企業の海外依存度の上昇も指摘されています。既に“联想”の年収の62%は海外収入で、中興通訊も53%と半分以上。その他TCLは33%、海信は30%などとなっています。これではまだ不十分、と言うのが<品牌“走出去”打通最后一公里>「ブランド海外進出、あと一歩」。広東格蘭仕グループの梁昭賢総裁が唱えたのは「製品輸出から技術輸出、資本輸出、ブランド輸出への転換」です。そして究極は<创品牌是建设制造强国核心工程>「ブランド創設は製造強国建設の核心的プロジェクト」。<品牌经济:新常態发展的重要支撑>「ブランド経済はニューノーマルの重要な支え」になるのです。具体的な取り組み内容は次回に。

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