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 第725回 対外進出−その1−

(2016年6月27日)

中国企業の海外進出を政策・金融面でどうバックアップするかは、これまでも重要な課題として指摘されましたが、“新常態”と称される経済調整期においてその重要性が一段と鮮明になりました。2年前の2014年、中国銀行は年間で1590件の海外進出プロジェクトに1219億ドル(前年比40%増)の融資を行い、世界150カ国以上に対する中国企業の投資額は前年比10%増を記録、これを承けて翌2015年は海外進出をバックアップする政府の姿勢がますます顕著となりました。
2015〜2024年10年間の中国対外投資規模は1兆2500万ドルにものぼると推定され、その資金需要にどう対応するかが論議の的になっています。特にM&Aの急速な増大は巨額の融資が必要になりますが、その点で中国の商業銀行は欧米の金融機関にまだはるかに及びません。政策銀行の役割の強化も大事ですが、商業銀行が国際化を一段と進め、資金面はもとより、市場の開拓や育成などを含む投資に関する様々なコンサルティング業務を展開し、更に投資企業のリスクヘッジの役割をも担うことが求められています。その意味でサポートシステムの整備も急務です。中国企業が海外に設立した企業は既に2013年時点で世界184の国や地域に分布していましたが、当時、中国の金融機関は、最も海外展開が進んでいる中国銀行でさえわずか41の国や地域のみで、先進諸国に比べればその脆弱さは明らかで、これでは十分なサポートは望むべくもありませんでした
税務上の問題もクローズアップされています。2014年9月の修訂<対外投資管理規則>で企業の対外投資の99%が届け出制になり、対外進出に拍車をかけましたが、その一方で進出先での税務上のトラブルが続出しています。北京市国税局が同市の海外進出企業1000社余りから70社余りを抽出したアンケート調査によると、80%近くが進出相手国の税制をよく理解しておらず、不当な措置に遭遇しても25%が泣き寝入りとも。このような問題の解決には、国が前面に立って相手国との二か国間の税収規則を調整したり、国際的な包括的税収規則整備を進めることが必要になります。
この他、対外進出には、優れた技術や製品、サービスの向上など多方面にわたる工夫が必要ですが、中国企業にとっては、現地化を如何に進めるかも大きな課題でしょう。

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