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 第750回 注目!貴州省のビッグデータ発展戦略

(2016年12月19日)

一級行政区で唯一平原がなく、“天无三日晴,地无三尺平,人无三分银”と謳われた貧しい省、貴州省の新たな発展戦略“贵州路径”が注目されています。その目玉はビッグデータ。2013年7月に<貴州省クラウド計算産業発展戦略計画>が出され、翌月、万鋼科学技術部長が「北京は貴陽のイノベーションのサポートを」と指示、同年9月、北京に中関村貴陽科学技術パークが開園し、京筑科学技術枠組み協定が調印されました。また、中国電信、中国移動、中国聯通の三大キャリアも同省にデータセンターを開設、2014年2月には<貴州省ビッグデータ産業発展応用プラン綱要(2014-2020年)>が、更に全国初の関連地方法規<貴州省情報インフラ条例>が公布され、同年4月、貴陽に北京・貴陽ビッグデータ応用展示センターを共同建設する協定も調印されました。これにアリババ、マイクロソフト、フォックスコン、HP、デルなどIT大手が参入、7月にはアリババ、中軟、浪潮などの支援を受け、省級政府と企業・事業単位のデータ整合・管理や相互享受を初めて実現したクラウドサービスプラットフォーム“雲上貴州”がスタートしました。このプラットフォームは117台の銀河Ⅳスパコンに相当する演算能力を備えています。
2015年5月、「貴陽国際ビッグデータ産業博覧会兼世界ビッグデータ時代貴陽サミット」が開催され、「2017年にビッグデータ全産業チェーンを完成、関連産業規模を3000億元に」との目標が掲げられました。同年8月、国務院は<ビッグデータ発展促進行動促進綱要>を配布、同産業を国家戦略として位置づけ、これに呼応して翌9月に貴州省は全国初のビッグデータ総合実験区を立ち上げ(2016年2月、国家レベルに)、三大体系の構築、七大プラットフォームの建設、十大プロジェクトの実施を掲げました。2015年末時点で、同省のビッグデータ電子情報産業工商登録企業数は1万7000社に、電子産業を中心としたパークは25箇所に達し、前年同期比で80%以上の成長を遂げています。2014年に成立した国家レベル8つ目の新区、貴安新区はビッグデータ産業集積地として注目され、2015年11月には環境情報化監督管理を担う貴安新区デジタル環境保護プラウドプラットフォームも稼働、2016年5月には、新エネルギー自動車産業中心基地を目指す計画も打ち出しています。同月、貴州省は「中国南方データセンターモデル基地」の称号を与えられ、今では全国7番目の大学生流入地域に変貌しています。

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