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第839回 ネット金融

(2018年10月11日)

ネットビジネスの展開につれて注目されるのがネット金融の急速な発展です。2017年6月30日に始まった「非銀行支払い機構ネット支払い清算プラットフォーム」は、340余りの銀行及び340余りの支払い機構を受け入れ、2018年3月末までの取扱件数が100憶件を突破、その額は3兆元に迫りました。

現金による支払からカードを使った支払い、更にネットを使ったモバイル決済へと、中国における代金支払い方法は第12次5カ年計画期後半から急速な変化を遂げました。振り返れば、2003年頃はATMから現金を取り出して支払うのが8割を占めていましたが、2015年にはPOSでカードを通す決済が50%を超え、2015年第一四半期には銀聯の取引額がVISAを超え、世界最大となり、また“银联钱包”の登場は多くのカードを持ち歩く煩雑さを解消しました。
その一方で、アリペイに代表される第三者モバイル決済方法が急速に普及しました。代金を一時預け、品物が確実に届いたのち決済することで、売り手と買い手双方のリスクを軽減したこのシステムから発達したネット金融が2013年以降急速に力をつけ、従来型の銀行カードやクレジットカードと張り合い、そのサービスの向上をも促しました。これによる簡便さが、特に地方の小都市や農村の消費の向上にどれほど寄与したか、測り知れません。
一方、こうした支払方法の急速な変化は様々な問題も生じさせており、この勢いを法律法規の整備、適度な監督管理、対象別管理などによって如何にして健全な発展に導くかは、政府に課せられた重大な使命であると言えましょう。2016年10月、<インターネット金融リスク特別取締活動実施方案>が国務院から公布され、ネットによるP2P融資・保険・株投資・第三者決済・資産管理等への対策が打ち出されました。第三者決済については既に業務許可制度が施行されていますが、無許可営業が後を絶ちません。また、顧客から預かった支払準備金は分散させずに集中管理するものとし、なおかつそれを人民銀行など適格な銀行に預け入れさせるなどの方針も含まれています。この特別取締活動は2016年4月から2017年3月末までの1年間行われましたが、その間、2016年8月には“支付宝”“银联商务”“财富通”等が中国人民銀行から5年間の業務許可証を得ています。

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