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第954回 第14次5か年計画

(2021年1月28日)

19期五中全会(2020年10月26~29日)では、第13次五か年計画(2016-2020)で、農村貧困人口5575万人が貧困を脱却、世界最大の社会保障システムも完成(基本医療保険13億人以上、基本養老保険10億人弱をカバー)したとして、小康社会の全面的完成を宣言、“自主可控”(自立と自強)を柱とした第14次五か年計画(2021-2025)の概要を提示しました。キーワードは“双循環”で、習近平が82才になる2035年にはGDP倍増(年平均4.7%成長)を実現、その間、イノベーション能力の向上、独自の産業チェーン供給チェーンの構築、都市部と農村部の発展の調和を図ることを謳いました。具体的には、高水準の市場システム、市場主体の活性化、財産権制度改革、公正な競争と高水準開放型経済新体制が、民生・福祉では、住民所得と経済成長の一致、基本的公共サービス均等化、教育水準の向上、多層的社会保障システムの確立、農村振興戦略推進が掲げられました。また、2035年までの長期目標として、①イノベーション型国家の先頭集団入り ②国際経済協力・競争への参加における新たな優位性の強化③1人当たりGDPを中等先進国水準に ④中堅所得層の拡大 などが示されました。       
これを受け、同年12月の中央経済工作会議では2021年8大重要任務が示されました。       
①戦略的科学技術パワーの強化:学界・研究所・高等教育機関による挙国一致体制、基礎研究十年アクションプラン、中核企業によるイノベーション連合体など。
②産業チェーンとサプライチェーンの自主的制御能力の増強:独自技術の開発、核心技術獲得作戦、基礎的部品・技術や重要な基礎材料の確保など。   
③内需拡大の戦略的基本点の堅持:強大な国内市場の形成、デジタル経済の発展、新インフラ投資、現代物流システムの構築など。   
④改革開放の全面的推進:国際的マクロ協調政策やTPP参加の積極的推進、国有企業改革三年行動計画、民営経済発展環境整備、市場・法治化・国際化されたビジネス環境の整備   
⑤種子と耕地の問題   
⑥企業の独占と不正競争の取り締まり強化⇒プラットフォーマー問題(アリババ問題など)   
⑦大都市の住宅問題の解決   
⑧二酸化炭素排出削減の推進:中国の二酸化炭素排出⇒2030年ピーク、2060年鎮静に。   
以上の内容を概観すると、今後の中国の目指す方向が鮮明に浮かび上がってきます。   

次回は2月4日の更新予定 テーマは<西部地域の発展-黄河中上流域->です。

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