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第960回 近年の交通インフラ整備-航空-

(2021年3月11日)

第13次5か年計画初年の2016年に国務院が示した<民用航空業発展の促進に関する指導意見>は、航空市場の育成と低空空域の拡大など様々な手段で航空業の発展を図り、併せて、各地域に航空網の重要な結節点を設け、京津冀、長江デルタ、珠江デルタに世界トップレベルの三つの空港群を建設し、他の重点都市群との統一的・協調的民用空港建設を進めるとともに、全国に50の総合専業モデル地区を設け、基幹企業を育成し、航空機や関連部品の自主開発能力を高め、国産化を推進することを謳いました。これを受け、河北省は同年6月、<京津冀民用航空協同発展推進に関する民航局の意見>に則り、2020年までに省内の民用空港を5カ所から30か所以上に増やし、首都・渤海沿岸・冀中南の三大空港群を建設する、と表明しました。その後、2019年10月、政府は北京大興国際空港の建設に伴い、全国29の空港間で国内航路200本、飛行便ルート4000本を超える大規模な空域調整を行い、新しい航空運輸の枠踏みを示しました。こうした航空網の整備は、中国のECの発展を担う重要な役割をも果たしつつあります。2020年、政府は新たに46の国際EC総合試験区を設け、全国で計105カ所を数えましたが、特に地方の中小零細企業が海外市場を開拓するには貨物チャーター便が不可欠で、河南省鄭州航空港経済総合試験区では、2020年に国際EC業務が前年比91.72%増を記録しています。なお、上述の北京大興国際空港は、中国の報道によれば、国産化率は98%で103項目の技術特許、65項目の新工法を包含しているとのこと。時速350キロの高速鉄道はターミナルの下を通り、時速160キロの地下鉄も通じています。また、通関は従来の半分の時間で済むように自動化され、人間ロボット“小興”がフロアを駆け巡り、旅客に対応するサービスも登場しています。       
一方、航空機製造面での発展も見逃せません。2014年に規格合格した国内支線用小型ジェット旅客機ARJ21は、2016年に初就航し、その後2年間で内外の航空会社21社から453機を受注、2019年にはハルビン-ウラジオストック間の国際路線にも就航、2020年、晴れて中国三大航空会社(中国航空・中国東方航空・中国南方航空)にも採用され、中国56都市を結ぶまでになりました。また、大型旅客機C919も2017年、処女飛行に成功、2018年までに28社から815機を受注、2019年末までに106機の試験飛行を成功させています。   

次回は3月18日の更新予定 テーマは<近年の交通インフラ整備-水運->です。

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