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第1204回 2025.12中央経済工作会議-その4-
(2026年1月29日)
⑦は民生問題です。所得が伸びず、将来への保険だった住宅投資はバブル崩壊、庶民が雇用や老後に不安を抱える中、経済の低迷がさらに続けば、社会の不安定要因に。その意味では、7位であっても政府にとっては一丁目一番地。そこで、まず大卒、農民工などの雇用の確保、更に、非正規雇用や契約労働者の労働者保険の加入を奨励しています。更に、医療保険給付制度の本格化や長期保険介護制度の実施、急速に進む出生減少への対応も明記されています。第⑧は直面するリスク。不動産市場対策として、住宅積立金制度を一層本格化して良質な住宅を建設しすることを挙げているのは、不良物件を徐々に減らしつつある中で、出口戦略へ向けた施策に取り組み始めていることを示しています。一方、地方政府の不良債務リスクは債務の置き換えや地方政府の融資プラットフォームが抱える不良債務の解消が急務として掲げられています。
総括的に見ると、①不動産問題は依然重荷だが、不動産販売面積の減少は続きつつも、減少幅は年々縮小。②地方政府の債務問題は、融資プラットフォームの債務残高処理が急速に進む一方、債務問題解決と、インフラプロジェクト推進による雇用・収入増政策が資金面でバッティング。③消費喚起政策の需要先食いが、2025年半ばで急ブレーキ、経済成長率に黄色信号、とはいえデフレ対策は金利の引き上げが住宅需要の減退につながり、バッティング。④国内需要の不振を補うため輸出に力を入れ、大幅な貿易黒字になっているが、人民元安維持で輸入原材料価格が上昇、企業の人件費削減で、収入の伸び悩みから需要が低迷、加えて、輸出相手国からの逆風が強くなるのは必定。⑤来年に党大会を控え、積極的金融政策の誘惑を自制できるか、短期的に効果を求めれば、出口戦略に亀裂が。⑥対外関係は、トランプとのディールに一時的な成果を挙げたものの、アメリカの中間選挙後は不透明。⑦中国政府の外国企業に対する[優遇・協力→先端技術の入手→国産品優先→追い出し]という過去40年以上のパターンへのしっぺ返しで、外資進出が継続的に大幅減。こういった状況を、“新質生産力”の発展でどこまで跳ね返せるか、まさに正念場と言えましょう。

