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第1216回 「健康中国」対策の進展-その2-
(2026年4月23日)
国民に運動などによる健康増進を呼びかける政策は、近年富に盛んになっていて、2022年には中共中央弁口庁と国務院弁公庁が連名で<より高水準の国民健康トレーニング公共サービス体制の構築に関する意見>を、2023年には国家体育総局などが連名で<国民健康トレーニング施設向上活動振興プラン(2023-2025)>を打ち出しています。最近の特徴は、オンラインとオフラインを連携させた取り組みが進んでいることで、江蘇省体育局では、<科学的トレーニングを毎週やろう>というショート動画を使って人々に、対象・ニーズ別トレーニング知識を伝えています。また、ビッグデータ、IoT,VRを加味したり、AIの活用も急速に進んでいます。北京大学では2024年に「デジタルスポーツ課程」が開設され、学生はスマートVRゴーグルを装着して、スクリーン上のスロープをストックを手に体をくねらせてスキーを楽しんでいます。小学生から大学生に至るまで、国の未来を背負う青少年の健康向上のために、2024年、政府は、中国教育科学研究院の指導の下、<学生生徒の運動能力を評価する22の国家標準>(基本運動能力1項と21種目の運動能力)を公布しました。この基本運動能力には、50m走(スピード)、 立ち幅跳び(瞬発力)、持久走(心肺機能)、体前屈(柔軟性) 、懸垂・上体起こし(筋力)などが含まれます。
国を挙げた健康向上運動の象徴的な例として、第一回全国健康向上競技大会が挙げられます。同大会は国家体育総局・中華全国体育総会主催により、2024年5月に遼寧省の瀋陽市で開催されましたが(今後、各年で開催)、いくつかの特色があります。まず、全国を華北・華東・華南・西南など7つの地域ブロックに分割し、ブロックごとに大会を開催しつつ全国とも連動して広域参加型を達成しています。一方、競技と大衆参加の二層構造にし、サッカー、バスケットボール、陸上など競技性のある種目種目と、太極拳、広場ダンス、 フィットネス、 民族スポーツなど、 レクリエーション色の濃い種目も用意されています。通年開催型で、一般市民が主体、地域・年齢・職業を問わず参加可能なこの大会は底辺拡大型であり、「健康中国2030」目標の達成を視野に入れたものなのです。2024年に平均寿命が79歳に達した中国ですが、出生人口は減少の一途をたどっています。生まれた子供も含め、人々の健康向上は国力の維持に不可欠とも言えましょう。

