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第1220回 中国:最近の外資政策と日本
(2026年5月28日)
ここ数年の中国の外資政策を俯瞰すると、一方で経済の低迷を受け、必死に外資導入に注力しつつ、一方で国の安全保障を強化していこうという綱渡り的な状況が際立っています。2022年党大会の翌年、2023年3月の人民日報では<外資企業は中国市場にほれ込んでいる>と虚勢を張りましたが、8月には<外商投資環境をさらに向上させ、外商投資力を拡大することに関する意見>6方面24条を出し、外商投資を一層呼び込み、利用する姿勢を示しました。同年は不動産不況や米中貿易戦争の影響を受け、外資の流入が大幅に減少、中国は早急に対策を講ぜざるを得ない立場に追い込まれていました。外資企業との座談会も頻繁に開かれるようになり、12月には、年末の中央経済工作会議を受け、<持続的に「投資中国」ブランドを築こう>という記事も掲載されました。ただ、にこにこと手を差し伸べる一方、反スパイ法の改正やデータ安全管理の強化、更にはサプライチェーンの安全重視が進められ、衣の下に鎧というわけで、結局は二の足を踏む外資も少なくありませんでした。とは言え、2023年10月に北京で開催された第3回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの開幕式で習近平総書記が「製造業分野の外資参入制限を全面撤廃する」と表明した効果は大きく、2024年に向けた大きな転換点となり、2024年のネガティブリストでは、最後の2項目が削除されました。経済低迷脱出の強力なエンジンとして位置づける半導体やロボット、AIなどへの投資呼び込みは最優先課題と位置付けられていたのです。同年1月には国家税務局から<対外貿易の安定化と外資の安定的導入に関する税制政策の指針>が打ち出され、「海外進出」と「外資導入」を側面で支える51項目の政策が示されたのも、3月に国務院から<ハイレベルの対外開放を着実に推進し、外資を一層吸収し利用する行動プラン>打ち出されたのも、こういった動きに沿ったものと言えましょう。
上記のような努力が続けられたにもかかわらず、2024年の対中直接投資はさらに大幅に落ち込み、中国政府は外資離れにますます危機感を募らせ、翌2025年に入ると、サービス業の開放へと大きく舵を切りました。この続きはまた次回に。

