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第1220回 中国:最近の外資政策と日本-その2-
(2026年6月4日)
2025年2月、<2025年外資安定化行動方案>が国務院から正式に打ち出され、これまでの外資を呼び込むための外資優遇政策から、すでに投資している外資を逃さない政策へ重心が移りました。外資が雇用や貿易輸出、更に産業の高度化で重要な役割を担っていることは言うまでもありません。そのためにも外資のつなぎ止めが喫緊の課題となったのです。外国企業も対応した行動を始めています。例えば武田製薬は、四川省成都市に武田中国イノベーションセンターを開設、中国企業と深く連携しながら中国におけるバリューチェーンの配置を持続的に充実させています。成都はバイオ医薬産業集積地であるうえに、中国国内でも有力な創薬拠点であり、武田は、市場へのアクセスに止まらず、臨床試験ネットワークの活用や優秀な研究者の確保など中国のイノベーションを取り込む利点に注目したとも言えましょう。この方案で注目されたのがこれまで比較的慎重だったサービス分野の外資開放で、その意味で2025年はサービス業開放に焦点が移った転換点と言えます。すでに進出している企業の、中国への再投資を促し、そのためのプラットフォームとして、従来からの自由貿易試験区やサービス業拡大総合試験区(すでに2015年に北京で始まり、ほぼ10都市に拡大)の更なる拡大に加え、海南自由貿易港の充実・拡大を急ピッチで進め、「電信・医療・教育・金融・デジタルサービス」などサービス分野開放を進めたのです。
同年3月、習近平が北京で国際商工界の代表と会見した際述べた「外資企業は中国の改革開放と現代化建設で重要な役割を果たしている」、「中国は外資企業が投資起業する沃土になる」、「外資企業が中国でビジネスを発展する上で遭遇する問題は真摯に解決する」といった文言は、まさに中国側の切実な心情を吐露したものと言えましょう。同年5月22日付人民日報に、人民ネットユーザーの「なぜ中国に外資が必要なのか」という質問に対する回答が掲載されました。曰く、「現在、中国には外資企業124万社が設立した企業124万社があり、投資額は3兆元に達する。外資企業は中国の工業部門付加価値の4分の一に貢献し、税収の7分の一、3000万の雇用を生み出し、そのカバーする業種は115産業に及んでいる」。2026年、奨励産業目録が拡大されるとともに、「とにかく外資を」から「必要な外資を」に政策が転換し始めました。「中国製造」から「中国設計」へ、更に「中国による定義」へ、止まることを知らぬ大きなうねりが否応なく押し寄せています。

