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第1232回 改革開放の進化と中国の若者たち
(2026年8月20日)
中国の新聞で「情緒消費」という言葉を最近よく見かけます。その範囲は文化・音楽からデザイナーズトイやフィギュアまで、バーチャル商品からトレンド性の高い娯楽まで、「モノを買う」ことから「気分を買う」ことへ、と若者の新たな消費トレンドを包含していますが、こう言った若者の意識の変化は、常にその時代の一側面を反映したものでもあります。改革開放後の目まぐるしい社会の変化につれ、これまでそういった若者たちを表現したどんな言葉があったのでしょうか。1980年代前半、中国はベビーブーマーたちが中卒高卒で続々と就職時期を迎えました。1950年代に人口抑制を提唱した馬寅初が批判されて以来、産めよ増やせよの時代が到来、その付けが回ってきたのです。当時の若者は「待業青年」と呼ばれました。政府は企業に三班交代制を導入してワークシェアリングを実施する一方、小規模の私企業を許可しましたが、これは怪我の功名で、その後の民営企業発展の出発点になりました。1990年代に入ると、農村戸籍の縛りが緩み、移動が可能になった事で膨大な農民工が発生しましたが、彼らは「打工族」と呼ばれました。故郷を離れ北京を目指す若者は「北漂族」とも。よりよい未来を目指して自ら移動するようになったのです。その後2001年のWTO加盟を契機に経済が発展するにつれ、貯蓄なんか考えずに思い切って消費しようという「月光族」、住宅価格が高騰し、結婚するには親の脛をかじろうという「啃老族」、住宅ローンに四苦八苦する「房奴」等々、若者たちは多様化していきます。2010年代になると、勝ち組と負け組が鮮明になってきます。「高富帅・白富美」は勝ち組の男女を表現する羨望に満ちた言葉。親の階層によって将来が決まることから「穷二代・富二代」とも。そんな中、技術革新の波に乗ろうという「创客」も現れ始めました。
2020年代には「躺平族」が流行語になりました。競争とあきらめとの中間で右往左往するものは「45度青年」に。そして今、「躺平」より更に投げやりな「摆烂」も登場し、遂には若者が職場競争から一時退避する「青年养老院」も出現……。[「性价比」から「情价比」へ]という最近の人民日報の記事のタイトルは何を意味するのでしょうか。心の豊かさか、心の貧しさか、真剣に考える必要がありそうです。

