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第1234回 中国造船業の飛躍的発展
(2026年9月3日)
造船業と言えば以前は日本のお家芸でしたが、その後、韓国が追い上げ、今日では、中国がまさに造船大国を標榜しつつあります。2023年に発表された、中国船舶工業協会の<2022年船舶工業経済運行分析>によれば、2022年は造船竣工量3786万載貨重量トン、新規受注量4552万載貨重量トン、受注残高10557万載貨重量トンでしたが、4年後の2025年にはそれぞれ5,369万載貨重量トン、1億782万載貨重量トン、2億7,442万載貨重量トンと急増しており、世界シェアもそれぞれ56.1%、69.0%、66.8%に達しています。いずれも16年連続世界一で、その発展ぶりがよくわかります。中国の造船業発展の経過は、大まかに見て、低価格と大量生産を武器に日本・韓国を追いあげた2000年代、ばら積み船、タンカー、コンテナ船などで世界最大になった 2010年代、そしてLNG船、超大型コンテナ船、自動車運搬船、クルーズ船などの高付加価値船へ進出した 2020年代の三段階に分けられます。クルーズ船を例に挙げると、2023年6月6日、一隻目の 「愛達・魔都号」(アドラ・マジック・シティ)が上海の外高橋造船でドックを出、第2船「愛達・花城号」(アドラ.フローラ・シティ)も2026年3月20日に同造船所のドックをでました。「愛達・魔都号」は縦323.6m、横37.2mで2826室を有しており、広さは標準サッカー場6面分、高さは24階のビルに相当します。部品数は2500万個で国産大型飛行機C919の5倍に達するとのことで、2024年1月に商業初航海の途に就きました。
中国は近年、従来型の船舶量産力に脱炭素技術を組み合わせる段階に入っていて、LNG、メタノール、アンモニアなどを燃料とする船の受注が増えています。大型LNG運搬船はLNGをマイナス162度で運ぶため、高度な断熱・溶接・安全管理技術が必要で、従来は韓国勢が圧倒的でしたが、中国も滬東中華造船を中心に受注を増やしています。こうした成果を可能にしたのが、中国の 「造船・海運・港湾・鉄鋼・機械・金融」が一体となった産業生態系で、世界最大級の自動車運搬船、世界初の15万トン級スマート漁業大型工作船、更に双方向砕氷可能な砕氷船や第五世代大型LNG輸送船、多機能型深海探査船など、ハイエンド化が進んでいます。中国政府は既に<グリーンスマート船舶技術規範体系建設行動計画(2026-2030)>を打ち出していますが、2026年4月に浙江省寧波舟山港で就航した、世界最大の純電動スマートコンテナ船はまさにその象徴と言えましょう。

