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第1236回 中国国際航路の発展-その2-

(2026年9月17日)

   「絲路海運」とは、中国で初の、海運を中心とした総合物流サービスのブランドで、2018年に福建省から始まり、今では国内10余りの港から148本の「絲路海運」が開通、48の国や地域、150の港湾をカバー、2025年のコンテナ取扱量は2600万TEUを越え、国内外や陸海を結ぶ重要な紐帯になっています。とりわけ、“一带一路”のハイレベルな構築とBRICSの協力強化のための戦略的拠点となることが期待されています。2026年3月の年次総会では、新たに8社が加盟、「絲路海運」参加企業数は375社に達しました。このような航路開発には四つの狙いがあります。①中国製品の輸出経路を確保 ② 石油・鉄鉱石・穀物などの輸入を安定化 ③ スエズ、マラッカ、北米市場への過度な依存を分散 ③中国企業が港湾・倉庫・鉄道・通関まで支配できる総合物流網を形成 、の四点で、中国の沿海港を中心に、海外港湾投資、定期航路、内陸鉄道、物流拠点を結び付け、世界規模の港航物流ネットワークを構築することを目指しています。


  さて、2026年5月1日に、全16章から成る<中華人民共和国海商法>が施行されました。これは1990年代型の海運法制を、デジタル化・国内外一体化・環境保護に対応する現代的な国際海運法制へ転換するもので、①国内航路と国際航路のルールを接近、②電子船荷証券(貨物受取証、運送契約の証拠、権利証券)を正式に法制化し、港湾DX、貿易金融、通関、国際複合一貫輸送を迅速化、③一定の条件を満たす「電子運送記録」に紙の船荷証券などと同等の効力を認める、④荷主・運送人などの権利義務を明確化、⑤旅客・船員・被害者保護を強化、といった点が注目されます。また、油濁などの海洋汚染責任制度を整備し、船舶所有者や海難救助者などの責任限度額も引き上げ、国際条約・国際慣行との整合性を高め、中国の裁判所・仲裁機関で海事紛争を処理しやすくする狙いもあるようです。


  以上の諸点から見ると、この海商法は国際航路を支える取引インフラの整備であり、電子船荷証券、責任範囲、保険、荷渡し、準拠法が明確になるため、中国港を利用する船会社・荷主・金融機関の取引コストと法的リスクを下げます。すなわち、中国を単なる「船舶・港湾の大国」から、海運取引のルール形成・紛争処理でも影響力を持つ「海運強国」へ移行させる法的基盤だと評価できますが、中国法の適用範囲や一部の強行規定は、外国船社にとって利便性だけでなく、中国法務への対応負担が増す側面もあるでしょう。

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