トップ > 現代中国放大鏡
Last Update:
第1239回 中国と中央アジア-その3-
(2026年10月8日)
2023年5月の第一回「中国・中央アジアサミット」開催に合わせて開催された中国-中央アジア実亮会員会成立大会は、各国の商工会が対話をする専門のプラットフォームで、サミットの西安宣言採択に伴う重要なステップと言えましょう。2023年11月、一帯一路建設活動推進指導小組弁公室から<「一帯一路」共同建設の今後十年の発展と展望>が発表されました。その中では、これまで10年間の成果と 今後10年の全体構想が示され、更に、政策・インフラ・貿易・資金・民心及び新領域での協力を重点領域として取り上げました。こうした動きの中、2021年に創設された上海協力機構経済貿易学院は、2024年5月までに207クラスを設け、1.5万人以上の参加者を数えました。これは今後に向けた大きなサポートになることでしょう。2025年6月に開催された第2回アスタナ会議では、6カ国が善隣友好協力条約に署名しました。これは、中国と5カ国が一堂に会して継続的に協議する枠組みが定着しつつあることを意味します。同会議では、中欧国際貨物輸送に関する5カ国との協力構想等交通網に整備、経済貿易、科学技術、環境・資源、観光などに関する諸協定が盛り込まれました。中国側の発表では、2025年の対5カ国商品貿易額は1,063億ドルで、前年比12%増。初めて1,000億ドルを超えました。協力分野も鉱物、農業、製造業、技術などに広がっています。
とはいえ、この背景にある各国の利害は多少異なります。 中国にとって中央アジアは、資源の供給地であると同時に、中国西部と欧州・中東を結ぶ陸路であり、中央アジア諸国にとって中国は、大きな市場、投資・インフラ整備の相手です。一方、5カ国は対外関係を決して中国一国に絞ってはいません。その証拠に、2025年にはEUとも初の首脳会議を開き、関係を戦略的パートナーシップへ格上げしました。近年の変化を一言でいえば、「資源と貿易の隣国関係」から「ユーラシアの交通・産業・外交をめぐる包括的な協力関係」への発展であり、共同宣言に掲げた事業と、すでに稼働している事業は区別して見る必要があります。中央アジア5カ国と異なる立場で独自外交を貫いているのがモンゴル。中露に挟まれた内陸国家モンゴルは、双方と戦略的パートナップ協定は築いているものの、エネルギー面での自立を目指し、「第三の隣国」政策を掲げ、民主的価値観を共有する国や機関との連携も模索しており、日本との関係強化も模索しています。

