Last Update:2010/12/13
トップ現代中国放大鏡
コラム 「現代中国放大鏡」

 第448回  人材政策−その1−

(2010年12月13日)

    『清華学堂計画』(清華大学)、『元培計画』(北京大学)、『本科生創新科研計画』(南開大学)、『 “三三制”人材育成モデル』(南京大学)---。2009年末に全国11の大学が、数学・物理・化学・生物・コンピュータの学科で傑出した人材を育成する『チョモランマ計画』を開始、これに合わせて、各大学でも次々と人材育成計画が始動しつつあります。なぜ、中国では優秀な人材が育ちにくいのか、盛んな議論も展開されています。曰く「先生を重んじて、反論しない」「与えられた問題を解くのには優れているが、自ら問題を見つけようとしない」「ノートに写して暗記して、バイトに精を出して、就職対策に忙しい」などなど。
    中国では三峡ダム・天然ガスパイプライン・南水北調・青蔵鉄道や高速新幹線・宇宙探査など毎年大規模な建設プロジェクトが目白押しです。これらのプロジェクトに必要な人材を育成しようと、2003年第一回全国人材工作会議で高級技術者育成が国家人材建設総合計画に組み入れられ、2008年には専門技術者数が4686万人に達しました。この中には『百千万人材プロジェクト』における国家レベルの人材4100人あまり、国務院の特別手当支給専門家(2009年から、月100元が一挙に600元に)15万8000人、留学帰国者49万7000人などが含まれています。
    海外の優秀な人材の獲得も盛んに行われています。2008年のリーマンショックを人材獲得の絶好のチャンスと捉えた中国政府は、各省庁が合同で海外の高級人材獲得計画『千人計画』を推進、2010年上半期までに700人近くを獲得、更に今後も3回に分けて500人の獲得を目指しています。こういった国の動きは瞬く間に各地域に波及し、省や自治区ごとに人材導入計画が精力的に進められており、例えば北京では、2010年に『 “北京海外人材獲得プロジェクト”2010年人材導入特別対策プラン』を発表、高級人材向けの215ポスト(一時金として100万元支給)を含む529のポスト(主に大学・科学研究所・国有企業・金融機構など)で海外の人材を募集しました。同市では更に2009年から5年間で1000名の高級人材を招請する計画です。技術労働者の育成も急ピッチで、2009年末で全国の技術労働者数は1億人を突破、高級技術労働者も2630万人に達しましたが、人材強国に向けた更なる動きはまた次回に。

※サイトの記事の無断転用等を禁じます。


© Copyright 2002−2010 OBC-China Reserved.  
"chinavi.jp" "ちゃいなび" "チャイナビ" "中国ナビ"はOBC-Chinaの商標です。